InBodyの技術
生体電気インピーダンス分析(BIA)法は、人体に電流を流した際に発生するインピーダンスから人体を構成する成分を定量的に測定する技術です。インボディは独自の技術開発でBIA法を飛躍的に発展させました。
生体電気インピーダンス分析(BIA)法は、人体に電流を流した際に発生するインピーダンスから人体を構成する成分を定量的に測定する技術です。インボディは独自の技術開発でBIA法を飛躍的に発展させました。
生体電気インピーダンス分析法は、水分を多く含む筋肉組織には電気が流れやすく、水分をほとんど含まない脂肪組織には電気が流れない原理を利用します。即ち、インピーダンスは体水分に対する抵抗を表すので、水分量によってインピーダンス値が異なります。インピーダンスをさらに理解するには、レジスタンスとリアクタンスの概念、それらを使用してインピーダンスを計算する方法を理解することが重要です。
レジスタンスを理解するために、川の流れを想像してください。電流の流れと川の流れは性質が似ています。川幅が狭く長い川は水が流れにくいですが、川幅が広く短い川は水の流れがスムーズです。つまり、人体に電流が流れるときも川の流れと同様で、細く長い箇所の電流は流れにくく、太く短い箇所の電流は流れやすいです。電気抵抗は電流の流れにくさを意味するので、細く長い四肢では抵抗が大きく、太く短い体幹では抵抗が小さくなり、抵抗値が異なります。
体内で細胞外水分に沿って流れてきた交流電流が細胞膜に出会うと、細胞内水分に電流が流れるためには細胞膜を通過する必要があります。電流が細胞膜を通過すると、細胞膜で電流を邪魔する電気抵抗(リアクタンス)が発生し、この抵抗は電流が細胞内水分と細胞外水分に沿って流れる際に発生する電気抵抗(レジスタンス)とは区分されます。リアクタンスは細胞がエネルギーを貯蔵する能力を表し、細胞膜の完成度・細胞の構造的な安定性を反映すると言われています。
インピーダンスは、レジスタンスとリアクタンスのベクトルの和であり、交流電流の流れを邪魔する全ての要素の総称です。レジスタンスとリアクタンスとは三角関数の関係を持つので、インピーダンスとリアクタンスが分かれば下図赤線の角度が計算できます。この角度を位相角(Phase angle)と言い、細胞膜の完成度及び細胞内・外水分の均衡度を評価する指標として使用されます。
BIA法は人体に微弱な交流電流を流し、電気抵抗値であるインピーダンス(Z)を測定します。この、水分を多く含む筋肉には電流が流れやすく水分を含まない体脂肪には電流が流れない原理を利用して、人体を各成分に分けて定量化することができます。インピーダンスには、2種類の電気抵抗(レジスタンス:R、リアクタンス:Xc)があります。
川の流れを想像してください。電流の流れと川の流れは性質が似ています。川幅が狭く長い川は水が流れにくく、川幅が広く短い川は流れがスムーズです。つまり、人体に電流が流れるときも川の流れと同様で、細く長い箇所の電流は流れにくいので四肢では抵抗が大きく、太く短い箇所の電流は流れやすいので体幹では抵抗が小さいです。
体内で細胞外水分に沿って流れてきた交流電流が細胞膜に出会うと、細胞内水分に電流が流れるためには細胞膜を通過する必要があります。電流が細胞膜を通過すると、細胞膜で電流を邪魔する電気抵抗(リアクタンス)が発生し、この抵抗は電流が細胞内水分と細胞外水分に沿って流れる際に発生する電気抵抗(レジスタンス)とは区分されます。
インピーダンスは、レジスタンスとリアクタンスのベクトルの和であり、交流電流の流れを邪魔する全ての要素の総称です。これらは三角関数の関係を持つので、インピーダンスとリアクタンスが分かればインピーダンスの角度が算出できます。この角度が位相角(Phase angle)で、細胞膜の完成度及び細胞内・外水分の均衡度を評価する指標です。
BIA法による体水分の算出は、人体を一つの円柱に見立てることから始まりました。①円柱の体積は長さと断面積で求める、②インピーダンスは断面積に反比例して円柱の長さに比例する、という2つの数学的概念を使用することで体水分が求めることができます。
①と②の式から、次のような体積を求める式が導き出されます。
③の式を人体にも適用し、円柱の長さには身長を当てはめます。
この指数をインピーダンス指数と言い、体水分量は身長の2乗に比例し、インピーダンスに反比例することが分かります。また、InBodyを測定する際になぜ正確な身長情報が必要かもこの指数を用いて説明できます。
これまでのBIA機器は単周波数(50kHz)の交流電流でインピーダンスを測定していました。しかし、50kHzの低周波数は電流が細胞膜を通過しづらいため、細胞内の水分量および全身の水分量を正確に測定することができません。その結果、水分バランスが崩れている高齢者や疾患者の体成分解釈を誤ってしまう場合があります。
InBodyは1~3000kHz内の低周波数と高周波数の交流電流を組み合わせることで、細胞内水分量(ICW)・細胞外水分量(ECW)・全身の体水分量(TBW)をそれぞれ分けて測定します。多周波数のインピーダンス測定は水分バランスの崩れている高齢者・疾患者などで正確な水分量や筋肉量が把握できるようにし、水分に関する新たな解釈も可能にしました。
これまでのBIA機器は人体を1つの円柱に見立て、全身インピーダンスのみを測定していました。しかし、人体は長さと断面積の異なる円柱で構成されており、この方法では全体インピーダンスの中でどこまでがどの部位で測定されたものか分かりません。特に断面積の広い体幹はインピーダンスが全体の約5%に過ぎず、全身筋肉量の約50%を占めながらも推定に頼るしかありませんでした。
部位別直接多周波数測定(Direct Segmental Multi-frequency Impedance Analysis: DSM-BIA)では、人体を5つの円柱(右腕・左腕・体幹・右脚・左脚)に見立てます。InBodyは各部位のインピーダンスを単独で測定し、正確に体成分を測定することができます。
BIA法はインピーダンスから体成分を解釈する技術であるため、体成分の変化を正しく比較するには、測定されるインピーダンスの高い再現性が必要です。しかし、これまでのBIA機器では、電極を貼る位置や握る位置(浅く握る・深く握る)によってインピーダンスが測定される位置が変わる問題がありました。
8点接触式電極は電流電極と電圧電極を分離し、特に手の電圧電極を親指に位置させることによって、インピーダンスが測定される位置(電流の流れと電圧の測定範囲が重なる位置)を常に手首と足首に固定させる技術です。この工夫は測定結果が手電極の握り方や足電極に立つ位置に左右されない、測定の再現性を高める代表的な技術です。
BIAの技術的限界④
現在でも未だ多くのBIA機器で、”体幹単独インピーダンス測定の欠如 / 単一周波数測定 / 再現性の欠如” といった技術的欠点を補うために、体成分を算出する公式に統計補正が組み込まれています。統計補正は人種・性別・年齢・体型などのデータを利用し、個人の実際の体成分ではなく、統計的なデータによる傾向に基づいて体成分を算出します。
InBodyの技術④
InBodyは統計補正を一切使用せず、身長・体重・インピーダンスのみを使用して一人一人の体成分の特徴をそのまま提供します。InBodyはGold standardによって数多くの第三者検証が行われ、被験者に関係なく一貫して高い精度を持つことも証明されています。多周波数測定や部位別測定といった新しい技術を搭載したInBodyには、統計補正は必要ありません。
BIA法における統計補正とは、インピーダンス・身長・体重の実測値だけでなく、特定人種で表れる体成分の傾向を、体成分を算出する公式に予め組み込むことであります。統計補正が入ると、測定時に入力する人種・性別・年齢・体型などの情報によっても体成分が変わるため、BIAが不正確と言われてきた原因として指摘されてきました。しかし、InBodyは統計補正を一切使用しないので、性別・年齢に関わらず同じ体成分を持つ人ならどの国で測定しても、同じ体成分が算出されます。
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体成分を算出する臨床公式に統計補正を使用すると、公式を作った集団と体成分の傾向性が異なる症例では、その補正が誤差として働きます。そのため、従来のBIA法を用いた研究では、信頼性の限界を明確に示す方法として、臨床公式を公開することが常識でありました。しかし、InBodyはその必要がなく、統計補正を排除した公式の開発過程も開発者(Dr.Cha, Harvard Medical School)の論文で公開されており、臨床活用を報告した多くの論文でレファランスとなっています。
InBody970の場合、1~3000kHzの多周波数を用いて右腕・左腕・体幹・右脚・左脚を分けて直接測定するDSM-BIA(Direct Segmental Multi-frequency Bio-electrical Impedance Analysis)技術を搭載しています。BIA法と言っても全て同じではありません。SMFIM(Simultaneous Multi-frequency Impedance Measurement)技術は、複数周波数のインピーダンスが同時に測定でき、更に多くの情報を計測しながらも所要時間を短縮しました。
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新陳代謝で常に動いている体水分を安定的に測定するため、最上位機種のInBodyでは5部位を8周波数の交流電流で繰り返して測定し、合計40個のインピーダンスを計測します。細かく計測されるインピーダンスは統計補正を使用しない技術の基となります。また、全てのインピーダンス情報は画面・結果用紙・CSVの何れにも提供されるので、測定結果の信頼性を測定直後は勿論、後からでも確認することができます。
体成分測定のGold Standardとしては、DEXA(筋肉量・部位別筋肉量・体脂肪量)・水中体重法(除脂肪量・体脂肪量)・重水希釈法(体水分量)・臭化ナトリウム希釈法(細胞外水分量)などがあります。このような方法とInBodyは、様々な人種の健常者・疾患者・アスリート・高齢者・小児などを対象に第三者によって検証され、その結果が40件以上の国際論文として発表されています。これらの論文を通じ、InBodyは被験者に関係なく一貫して高い精度を持つことが確認できます。
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技術開発の段階で特定集団でとても高い精度が確認されたからと言って、それが全ての症例に対して適用されるわけではありません。InBodyの測定結果は、Gold Standardと98%一致する(R²=0.98) など特定数値を強調することはありません。精度は測定条件によって変わり、特に統計補正が入る場合、試験群によっては補正値が誤差になることもあります。InBodyは会社主導の精度検証の結果よりも、第三者によって客観的に試験が行われ、更に厳しい審査を通過して論文として発表された結果を本当の精度として提示します。
InBodyは様々な条件で長年にかけて精度が検証されてきた結果、今は医療診断・臨床研究・治験などの様々な分野で活用されています。また、高い信頼性を背景に得られた成果は、世界中に論文として公表されています。学術誌や学会誌で正式発表された活用事例は、常に学術専門チームが調べ、InBodyの更なる活用に向けてのレファランスとしてオン・オフラインで提供します。
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専門家向けの体成分分析にInBodyが採択される理由は、技術的な優位性だけではありません。当社はBIA技術開発を先導する企業として、何より研究者の方々に対する研究支援を優先として考えます。また、InBodyを用いた小さい研究報告も見逃さずにレファランスとして管理し、学会・勉強会・共同研究など様々な形で最新の情報を発信します。ホームページの専用窓口からは、全てのご質問・ご依頼に迅速に対応します。