スポーツ支援事業の取り組み -競走で日本代表に挑戦! 走り方教室-
インボディ・ジャパンでは、パラ陸上選手の井谷 俊介選手(パリパラリンピック 男子200m 日本代表)とスポンサー契約を締結しており、パラスポーツ界発展のために様々な活動に取り組んでいます。今回は、2025年10月13日(月・祝)に江戸川区総合体育館(東京)で、井谷選手を講師に招いて開催した走り方教室の様子をご紹介します。
走り方教室は江戸川区総合体育館が開催するスポーツの日感謝デーの一画で行われ、小中学生80名(事前申し込みの先着順)が、1日に3回に分けて参加しました。会場では走り方教室の他にも、着衣泳体験やバット削り実演会、フライングディスクやスラックライン、InBodyとInGrip(握力計)を含む体力測定会、ボッチャや車いす体験など、パラスポーツを中心に多数のプログラムが用意されており、多くの参加者で賑わっていました。
教室プログラム冒頭の走り方アドバイス
![]()
まずは速く走るためのフォーム指導から。太ももをしっかりと上げることや、短距離走のスタートダッシュなど、走り方のコツについて具体的なアドバイスがもらえました。「運動会で速く走れるようになりたい。」 「東京2025世界陸上を見に行って陸上に興味を持ち始めた。」 「苦手な運動を少しでも克服したい。」 「走るのが大好きでプロ選手の走り方を学びたい。」 と、集まった参加者は井谷選手と向き合い、集中して取り組んでいました。
![]()
一人ひとりのフォームをチェックしていきます。前に出す腕と脚がクロスになること、しっかり体を前屈させること、目線の位置など、子供たちにも分かりやすく、丁寧に指導が行われていきます。中には同じ側の腕と脚が出てしまう子も…。一生懸命に腕と脚を入れ替えている姿はとても可愛らしいです。
![]()
続いて、みんなで並んでのかけっこです。フォーム指導のアドバイスを忠実に守ろうと、姿勢がばっちり決まっています。5歩までは下を向いて走り、6歩目から前を向きましょうとアドバイスがあったこともあり、「1・2・3・4・5!」 と声が自然と出ています。走り出したくてウズウズしているのか、フライングする子供たちが多い印象でした。
![]()
最後のかけっこでは井谷選手も入り並んでの競走! 日本を代表するトップ選手の疾走感は、観客席から観覧している保護者の方が味わえていたかもしれません。1本目のかけっこと最後のかけっこを見てみると、全体的に速くなっているのが目に見えて分かりました。
メダリストに聞いてみよう! なんでもQ&A
![]()
たくさんの子供たちから、走り方のコツや義足に関する質問が飛び交いました。こちらではいくつか質問をピックアップしてご紹介します。
―カーブはどのように走ったらよいですか?
井谷選手:
「重心の位置を意識して走ることが大切です。左カーブであれば左斜め前に意識を持つと良いです。」
―長距離を速く走るためにはどうしたらよいですか?
井谷選手:
「かけっこ教室で走ったスピードの70~80%のスピードで長く走れるようにしましょう。テンポ、リズムを崩さずに走ることが大切だと思います。」
―足が速くなるために走るトレーニング以外で大事なことは何ですか?
井谷選手:
「ジャンプ系のトレーニングも大事です。縄跳びや、ボックスなど段差を利用したトレーニングも実践してみてください。沢山練習することももちろんですが、しっかり食事をして、早めに寝るなど、日々の生活も大切です。」
―井谷選手はどれくらい前から義足をつけていますか?何年は義足が難しいと感じていましたか?
井谷選手:
「2016年の、20歳の時から義足をつけています。医師からは、『通常歩くまで半年、走れるようになるまでは1年かかる』 と言われましたが、周りの支えもあってリハビリを頑張ることができ2週間で歩けるようになりました。小さい頃から様々なスポーツに触れ、もともと体力に自信があったことも大きいと思います。」
義足を学ぼう! その① 義足体験コーナー
![]()
井谷選手が義足でかっこよく走る姿を間近で見た子供たちは、義足について興味津々です。パラアスリートが走るときに使用するものと同じスポーツ義足を体験します。
初めはバランスを取るのが難しく、義足になかなか体重を乗せられませんが、徐々に慣れるとしっかり義足のバネを使えるようになっていきます。上手に義足を使いこなせるようになると、「もう1回やってみたい!」 と何度も挑戦する姿も見受けられました。中には義足を付けたまま軽く走れるようになった子も。教室が終わった後には、保護者の方にも体験用スポーツ義足にチャレンジしていただきました。
義足を学ぼう! その② 義足に関する講演
![]()
最後は、濱田 万弓先生(社会医療法人社団医善会 いずみ記念病院リハビリテーションセンター センター長)による義足のお話です。濱田先生は小児下肢切断者のスポーツ義足普及に向けて精力的に活動しており、InBodyによる体成分データと臨床研究から得られた知見を基に、スポーツ義足の有用性に関するエビデンス作成に取り組んでいます。
講演内では義足の歴史や義足を使用していた偉人の紹介、日常生活用義足とスポーツ義足の違い、実際にスポーツ義足を使用する小児下肢切断者の記録などをお話いただきました。参加者は義足の実物を手に持ちじっくり観察しながら、義足についてより深く学ぶ時間となりました。
子供たちの声
保護者の声
アンケート結果
![]()
終わりに
![]()
1時間の教室プログラムはあっという間でした。今回、教室の申し込みが全ての回で定員に達していたこともあり、参加を断念された方もいらっしゃるかと思います。インボディ・ジャパンは、今後も皆さんの健康と学びに繋がるようなイベントを企画してまいりますので、また次回もご期待ください。
当イベントの成功は、江戸川区総合体育館の皆様の多大なご尽力のおかげです。また、井谷選手と濱田先生には、大変貴重な指導とご講演をいただき、誠にありがとうございました。