ぼうしや薬局
-薬局×InBody 地域住民の健康意識を変える取り組み-

✓InBodyを活用する目的
● 地域に選ばれる薬局づくりへの投資として活用するため
● 地域住民のセルフケア意識を醸成し、健康に対する行動変容に繋げるため
● 若年層への生活習慣改善、老年層へのフレイル・サルコペニア対策など、世代ごとに異なるアプローチを行うため

✓InBody270導入の決め手
● 統計補正を使用しておらず、多くの医療論文でも活用されている測定値への高い信頼がある点
● 若年層から老年層まで幅広い世代に対応できる高い汎用性がある点

✓得られた効果
● 健康ステーション来場者のほぼ全員がInBodyを測定するほどの高い人気を誇っている
● 健康教室でInBodyの活用を重ねるうちに「次はいつ測定できますか?」という問い合わせが増加した
● 健康について相談ができる薬局であると知っていただけるきっかけに繋がった

機種モデル:InBody270

1688年(元禄元年)に創業した 「ぼうしや」 は、花嫁が被る 「綿帽子」 作りから始まりました。その後、薬の製造を始め、創業当時の屋号はそのままに1946年に株式会社ぼうしや薬局を設立しました。設立とともにぼうしや薬局の1号店を姫路市内に開業し、現在では姫路市を中心に30店舗(2026年5月現在)の薬局を運営しています。

▲ ぼうしや薬局 宮西店

ぼうしや薬局は 「予防・外来・在宅」 を薬局機能の3本柱として掲げ、「地域一番薬局となり、地域の人々の健康に貢献します」 という企業理念のもと、一人ひとりの生活に寄り添うことを大切に、地域に根ざした薬局づくりを続けています。処方箋の有無にかかわらず地域住民の健康に向き合い、処方箋を持参される方への服薬指導はもちろんのこと、外出が難しい要介護者等への在宅支援にも積極的に取り組んでいます。さらに、全店舗で定期的に健康イベントを開催し、体成分測定(InBody)や骨密度測定を取り入れた予防活動にも力を入れています。

▲ 健康ステーション内観

ぼうしや薬局宮西店の2階には 「健康ステーション」 を併設しています。健康ステーションは、体成分測定(InBody)・ストレスチェック付き血管年齢測定・心電計付き血圧計といった測定機器を設置しており、完全予約制で健康チェックや健康相談を受けることができます。処方箋なしでも利用でき、健康に関心のある方や健康と向き合いたい方など、誰でも気軽に立ち寄れる場となっています。

▲ 一丸 智司さん

一丸 智司さんは、2006年に徳島大学薬学部を卒業後、薬剤師免許を取得し、その後市民病院での勤務を経て、2010年にぼうしや薬局に入職しました。現在は執行役員・調剤事業部ブロック長を務める傍ら、地域医療推進室のリーダーとしても活動しています。地域医療推進室は、地域包括ケアシステムにおける薬局の役割を探究し、地域住民のQOL向上を目的とした取り組みを推進する部門です。一丸さんは 「薬局は処方箋と向き合う場所ではなく、地域住民の健康と向き合う場所」 という信念のもと、予防活動や在宅医療など、薬局が地域で果たせる役割を日々追求しています。

一丸さん:
「薬局は処方箋を持参される患者さんが多く、病気になってから関わる場という印象が強いと思います。しかし、そもそも病気にならないようにする 『予防』 という取り組みこそ、地域住民にとって本当に必要なサービス、いわばインフラだと考えています。地域の皆さんに、ただ薬を扱う場所としてではなく、『薬と健康におけるファーストアクセスの場』 として認識していただける薬局でありたいと強く願っています。」


「測定」 から始まる健康意識の変化

ぼうしや薬局では、「セルフケア意識の醸成」 を重要視しています。セルフケア意識とは、「誰かに指示されて行動するのではなく、自らの健康には自分で責任をもって、健康のために何をすべきかを考え自分から行動することができる」 という主体性を大事にする考え方で、これらを醸成することで地域住民の健康意識を高めることを目指しています。

▲ 健康ステーションに設置される測定機器

一丸さん:
「我々の一つの目的は、セルフケア意識の醸成です。理想を言えば1軒1軒訪問して健康サポートを行いたいですが、現実的には叶いません。地域住民の皆様に健康になっていただくためには、人に言われなくても自分の健康を自分で管理できるようになることが大切です。そのセルフケア意識を醸成するために重要なのが、『測定する』 ことです。InBodyや骨密度測定器など様々な測定機器を活用して自分の体や健康状態が可視化されることで、自分自身で気づきが生まれ、行動変容に繋がっていく、そのプロセスを作ることをとても大切にしています。」


幅広い健康アプローチが可能なInBody

2022年9月にInBody270を導入し、2024年3月には2台目を追加で導入しました。現在は2台体制でInBodyを活用しています。1台目は各店舗での健康教室やイベントに持ち回りで活用しており、2台目は健康ステーションに常設しています。大型イベント時には2台を同時に稼働させることもあります。

▲ 健康ステーションに設置されているInBody270

一丸さん:
「InBodyは様々な測定項目を一つの機器で測定できるため、測定者があらゆる視点から自分の状況を理解しやすい特徴があります。また、筋肉や脂肪など馴染みのある項目が確認できて行動変容に繋げやすいことから、セルフケア意識の醸成に役立つ機器だと判断しました。他社製品とも比較しましたが、InBodyは統計補正を使用しておらず、多くの医療論文でも活用されていることから、測定値への信頼の高さが決め手となりました。もちろん費用面での悩みはありましたが、地域に選ばれる薬局づくりへの投資と考えました。測定1回あたり費用をいただいているので、実際には機器購入費用以上の効果が出ています。」

※統計補正について詳しくは、トピック「今さら聞けない、体組成計のあれこれ -測定値の理解を深めるためのQ&A-」をご参照ください。

InBodyは若年層から老年層まで幅広い世代にご利用いただける汎用性の高い測定機器で、世代ごとに異なるアプローチができる点も大きな魅力の一つです。また、機器自体の認知度の高さから、InBody測定を目的にぼうしや薬局へ来店する方もいます。

一丸さん:
「若年層には生活習慣改善へのアプローチ、老年層にはサルコペニア・フレイル対策へのアプローチができます。一つの機器でここまで幅広い層にアプローチできるのはとても魅力的だと思います。また、InBodyの公式ホームページに掲載されている 『InBody測定ができる施設』 に当施設も掲載いただいたおかげで、ありがたいことに 『InBody測定できますか?』 とお問い合わせをいただくことも多くあります。健康について相談ができる薬局であると知っていただけるきっかけにもなっているので、導入して本当に良かったと感じています。」


健康教室や大型イベントでの活用

ぼうしや薬局では、全店舗で定期的に健康教室を開催しています。また、年に1回多くの来場者が訪れる大型イベント 「ぼうしやフェスタ」 も開催しています。こうした場でもInBodyをはじめとする様々な測定機器を活用し、地域住民の健康チェックをサポートしています。

▲ ぼうしやフェスタでのInBody測定の風景

一丸さん:
「健康教室では様々な健康チェックとその結果をもとにした健康相談などを行っています。各店舗で年に1回以上を開催していて、InBodyを使用するイベントが複数店舗で重ならないように管理しています。集客はチラシ配布を中心に行っていることから、多くのかかりつけ患者様が参加されます。健康教室でInBodyの活用を重ねるうちに、『InBodyの測定は次いつできますか?』 というお問い合わせをいただくことも増えました。また、2025年のぼうしやフェスタには約600人もの来場者が訪れ、これまで店舗に来られたことがない地域住民の方にも自身の健康状態を確認できる場として認識していただき、セルフケア意識の醸成に繋がっていると感じています。」

▲ InBody測定と同時に、InGripによる握力測定を実施

イベントではInBodyと合わせてInGrip(握力計)による握力測定を行うこともあります。InBodyとInGripを連携することで、InBodyの結果用紙上に握力を表示させることができ、InBodyアプリでも握力や握力体重比を確認できます。

▲ InBodyアプリ画面「握力」

一丸さん:
「握力はサルコペニアやフレイルの評価において、とても重要な指標です。InBodyでは骨格筋指数(SMI)を測定することができ、InGripと連動させることで結果用紙上にSMIと握力を一緒に確認することができます。簡単かつ短時間でサルコペニアのチェックができる上に、一目で確認できるのが非常に良いと感じています。」


健康ステーションでの活用

2024年12月に健康ステーションを開設し、開設当初からInBodyが設置されています。健康ステーションは完全予約制で、月・火・水のみ営業しています。様々な測定機器を利用できますが、来場者のほぼ全員がInBodyを測定します。また、利用者の約7割が20〜40代と、薬局としては異例ともいえる若い世代が多く訪れているのも特徴です。

一丸さん:
「健康教室やぼうしやフェスタは、開催しているタイミングでしか測定を行うことができません。継続的に測定していただくことがセルフケア意識の醸成において重要であると感じていたため、これが一つの課題でした。いつでも好きな時に測定ができ、健康相談もできる常設の場があればという想いから、健康ステーションを開設しました。

健康ステーションには様々な測定機器を設置していますが、圧倒的人気なのがInBodyです。これまでにご利用いただいた方の中で、InBodyを測定されなかった方はたった1人のみです。InBodyを測定するためにご予約いただき、ついでに他の測定もされるというのが実態です。また、LookinBody Webも活用しており、測定時に携帯番号を入力するだけで測定データが自動的にお客様のスマートフォンのInBodyアプリに送信される点も、お客様から大変ご好評いただいています。」

▲ LookinBody Webを用いて、過去と現在の測定結果を比較

一丸さん:
「InBody測定後は、薬剤師が結果用紙をもとに説明と健康相談を行っています。継続して測定されている方にはLookinBody Webで過去のデータを表示し、今回の結果と比較しながら説明するようにしています。結果用紙の項目は一通り説明しますが、お客様が自身の状態を最も理解しやすい筋肉-脂肪の項目を重点的にお伝えしています。ただし薬局は診断を行う立場ではありませんので、あくまでお客様自身が自分の状態に気づいていただけるようなお話を心掛けています。」

健康ステーションでは、継続的な測定を推奨しており、標準的な測定頻度として2ヶ月に1回を目安に案内しています。来店頻度や目的に合わせて、1~3ヶ月に1回来られる方がほとんどです。

一丸さん:
「測定前に 『今回は結構頑張ってきた』 とおっしゃる方は、実際に良い結果が出ることが多いです。継続して測定されている方の中には、食事や運動を見直した結果、数ヶ月で筋肉量が増え、体脂肪量が減ったという方もいます。逆に、『年末年始で食べすぎた』 とおっしゃる方は、その結果が数値にそのまま表れることもあります。ご本人も理解されているので、数値でご自身の現状と向き合いながら今後の体成分改善への取り組みに生かしています。行動に見合った結果がしっかりと数字に表れるからこそ、InBodyは信頼できる機器だと改めて実感しています。」


地域支援・医薬品供給対応体制加算から考える、薬局の役割

令和8年度診療報酬改定において、地域支援・医薬品供給対応体制加算の新たな施設基準として 「セルフメディケーション関連機器の設置」 が追加されました。ぼうしや薬局はこの改定を薬局のあり方に関わる重要な変化と捉え、YouTubenoteを通じて積極的に情報発信を行っています。

一丸さん:
「2015年に厚生労働省から 『患者のための薬局ビジョン』 が出て以来、薬局は単に薬を渡すだけの場所という定義ではなくなってきていると感じています。ぼうしや薬局では、それ以前から薬局機能の3本柱である予防・外来・在宅を大切にしてきましたので、今回の改定で求められている方向性は私たちがこれまで取り組んできたことと大きく変わりはありません。国が示す方向性と私たちの取り組みが一致していることは、これまでの活動が間違っていなかったという確信にも繋がっています。」

「セルフメディケーション関連機器」 に該当する機器は、体重計・体温計・血圧計・体組成計・血中酸素飽和度測定器・握力計・骨密度測定器・心電計の8種類であり、このうち三つ以上を設置していることが要件となっています。また、体重計・握力計を除き、承認又は認証を得た医療機器である必要があります。InBodyの医療機器モデルであれば、1台で体重計・体組成計の二つの要件を満たすことが可能です。

一丸さん:
「どの測定機器を設置したいか全店舗にアンケートを取ったところ、1位は血圧計、2位は握力計、3位は体重計となりました。気軽に測定できる体温計が多いと思いきや、握力計が多かったのには驚きました。握力計であれば 『簡単に楽しく測定できて、サルコペニアやフレイル予防の啓発に繋げやすい』 と、具体的な運用をイメージして選んでくれたみたいです。処方箋を持って薬をもらいにいらっしゃった患者様が、ふと目に入った機器で測定を行い、『この数字、どういう意味ですか?』 と薬剤師にご相談される。この 『機器を通したコミュニケーション』 が生まれることこそが、薬局における最大の体験価値の向上に繋がると感じています。」


終わりに

一丸さん:
「改めてになりますが、薬局を 『薬と健康のファーストアクセスの場』 にしたいという想いは非常に強いです。地域住民の顕在的・潜在的なニーズの両方を読み解き、それぞれに合ったアプローチをしていきたいと考えています。InBodyは継続して測定することに意味があります。点と点が線で繋がることで、自分の体における過去・現在・未来が見えてきます。その線を描き続けることが、健康意識を高めることに繋がると考えています。だからこそ、地域の皆様にInBodyを定期的に測定していただける環境づくりをこれからも続けていきます。今後も子どもから高齢者まで幅広い世代の健康に寄り添える薬局を目指し、一人ひとりが自分の健康について自ら考えられるような世の中づくりに貢献していきたいと思います。」