もう途中で断念しない、継続するためのポイント

皆様は、何か 「継続」 して取り組んでいることはありますか? 三日坊主という言葉があるように、何かに継続して取り組むことは容易ではありません。今まで、何かを途中で諦めてしまったり、飽きてしまったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。

トレーニングや食事改善、勉強など、私たちが何かを得ようと取り組む際に最も重要なポイントは 「継続する」 ということです。何事も継続して取り組まなければ身に付かず、達成感を得ることもできません。しかし、これまでの生活習慣の中に新たな取り組みを加えること自体が難しく、さらにそれを継続させることはより困難です。今回は、三日坊主を克服し、継続させるためのヒントをご紹介します。


継続できない三つの理由

そもそもなぜ継続ができないのか、その理由は人それぞれです。まずはこの理由を自分自身で分析して把握すること、それを基に対策を練っていくことが大切です。ここでは、継続できない人の共通点として挙げられる、一般的な理由を三つ紹介します。

1. 気分で行動を決めている

行動するかしないかを、その日の気分によって決定していませんか? 当然、毎日がやる気に満ち溢れているわけではなく、日々モチベーションは変化します。実施内容やタイミングなどの具体的な計画を立てずに気分に任せた行動をとっていると、「今日は気が向かないし、もうやらなくていいか」 というように気分の上下によって行動も左右されやすくなってしまいます。この状態では行動を習慣として身に付けることが難しく、成果を得ることも難しいため、継続しようという気持ちがそがれてしまいます。

2. 短期間で大幅な変化に期待しすぎている

「自分が思い描く理想の姿になりたい」 と思うことは、適度なプレッシャーとなり毎日の取り組みにも良い影響をもたらします。しかし、その気持ちが早まりすぎて 「すぐに大きな効果を得たい」 という思いが強くなってしまうと、過剰なプレッシャーとなり悪影響を及ぼしかねません。例えば、「1週間で体脂肪率を10%落とす」 という明らかに無理のある目標を設けた場合で考えてみましょう。体脂肪量は短時間で一気に減少するものではありませんが、正しく取り組みを継続していれば毎日少しずつ減少しているはずです。しかし、10%の減少という目標ばかりに気を取られていると、日々の僅かな変化を評価できず、結果が出ないことから 「思い通りにいかない」 とストレスが溜まります。その結果、達成感を得られずダイエットを中断してしまうケースも少なくありません。

3. 目的が明確でない

何のために努力をし続けるのか、その目的を見失ってしまうと継続する気持ちが折れそうになった時に立ち直るきっかけがなく、そのまま中断してしまう可能性があります。また、「痩せる」 や 「健康になる」 など、曖昧な目標や目的では、どのように行動すればよいか迷うことも多くなり、熱意が失われやすい傾向があります。何がどこまで変化すれば目的達成となるのかを明確にしなければ、努力の過程を評価することも難しくなります。今頑張っていることが正解なのかどうか迷いながら継続することは苦しく、結果として諦める選択をしてしまう方も多いでしょう。


継続するための四つのポイント

継続できない理由を分析した後は、対策を考える必要があります。押さえておきたい、継続するためのポイントを四つご紹介します。

1. 目標を設定する

目標を見据えていないと努力の方向を見失い、モチベーションが下がります。まずは自分がどうなりたいのか、その目標を設定しましょう。目標を設定する際は、「SMARTの法則」 を意識してみましょう。

●Specific (具体的)
具体的な目標を立てることで、自分のなりたい姿を見失うことなく、モチベーションを維持したまま取り組めます。また、自分が目標に到達したかどうかも評価しやすく、達成感にも繋がります。

●Measurable (測定可能)
達成度が測れるような目標を立てる必要があります。数値や期限などを設定しておけば、自身の取り組みを客観的に評価できます。

●Achievable (達成可能)
簡単すぎる目標も良いとは言えませんが、高すぎる目標もかえってモチベーションを下げてしまいます。極端な目標ではなく、努力すれば達成できるレベルの目標を立てましょう。

●Relevant(関連性のある)
その目標を達成することで 「どのような自分の利益を得ることができるか」 を基準に目標設定を行うことが重要です。例えば体脂肪率を5%落とすという目標であれば、目標を達成することで 「着られなかった服が着られるようになる」 「くびれができる」 など、設定した目標の先にどんな利益があるのかが明確にあることで、よりモチベーションを向上させることができます。

●Time-bound (期限がある)
いつまでにその目標を達成するべきなのかを明確に設定しましょう。期限を設ければ計画的に取り組みを進めることができ、モチベーションを維持しやすくなります。

「痩せる」 や 「筋肉量を増やす」 などの抽象的で不明確な目標ではなく、「〇ヶ月で体脂肪率を〇%落とす」 「〇ヶ月後までに筋肉量を〇kg増やす」 など、誰が見ても同じ認識を持てるような目標を立てましょう。また、短期間で大きな変化を得ようとはせず、無理のない範囲で確実に達成できる目標を心掛けることも大切です。目標をクリアしたら、また新たな目標を設定しながらステップアップしていきましょう。

2. 記録をつける

トレーニングや食事の内容などをこまめに記録することで、過去から現在までの取り組みを振り返り、自身の成長も実感しやすくなります。記録する際のポイントは、「いたってシンプルな内容とし、労力をかけない」 ということです。詳細まで丁寧に書き残そうとすると、初めのうちは頑張れても後からどんどん負担が大きくなり、記録すること自体が重荷となってしまいます。何を書こうかと悩むことがないよう、記録する項目は厳選して固定するようにしましょう。また、アプリを有効活用すればノートがなくともすぐに記録ができます。このように、労力や時間をかけず簡単に記録できるように工夫することが必要です。

3. 誰かと共有する

自分の中で立てた目標を、周りの人に宣言しておくことは非常に効果的です。誰かに言った手前、達成しなくてはならないという状況を作ることで自分自身を奮い立たせます。また、宣言した人から 「最近も継続できているの?」 と声をかけてもらえれば、それがリマインドとなって長期的な継続に繋がります。さらに、一緒にトレーニングやダイエットに取り組める仲間を作ることも継続のためには欠かせない要素の一つです。誰しも途中で気持ちが折れそうになる瞬間があるかと思いますが、一度下がってしまった士気を自分一人で立て直すことは難しく、そのまま取り組みを中断してしまうことも少なくありません。こんな時、周りの仲間と支え合うことで互いの士気を高め合えます。家族や友人以外にも、SNSなどで目標を宣言し、仲間と繋がることも良いかもしれません。

4. 経過を定期的に確認する

取り組みを始めてからある程度の時間が経ったら、その経過を確認しましょう。例えば勉強などの場合はテストを受ける、トレーニングやダイエットの場合は筋肉量や体脂肪量をInBodyで測定することが効果的であると言えます。目標を設定する際に、具体的な数値を設けていれば経過を評価しやすく、目標達成まであとどのくらいなのかを明確に確認できます。主観的な評価ももちろん大切ですが、客観的な評価は自分自身を納得させ、背中を押してくれます。ポイントは、気まぐれなタイミングや短期間に複数回ではなく、1ヶ月ごとや半年ごとなど、定期的にピンポイントで経過を確認することです。その結果を受け止め、次に繋げていくことでより良い取り組みに繋がっていくはずです。


終わりに

何かを継続することで得られるものは、そのスキルの習得や成長だけではありません。継続できたという達成感や自信を獲得でき、それらがストレスの解消にも繋がります。また、何よりも継続力が身に付くという大きなメリットがあります。継続するまでには努力や工夫が必要かもしれませんが、一度習慣化してしまえば毎食後に歯磨きをするように、難しく考えずに行動ができるようになります。すぐに効果が出ず苦しい時期もありますが、「継続は力なり」 という言葉通り、継続していれば必ず結果がついてくると信じて、今できることを続けていきましょう。