InBody測定結果がおかしい? 考えられる原因と対策

InBody測定後、結果がいつもと比べて明らかにおかしいと思ったことはありませんか? その場合、測定が正しく行われず、エラーが発生している可能性があります。本トピックでは、測定結果が正確でない時に考えられる原因や、エラーかどうか見極める方法や改善方法について紹介します。


測定エラーか見極める方法

InBody測定が正しく行われたかを確認するには、インピーダンスが正しく測定できているかを確認する必要があります。インピーダンスとは、人体に微弱な電流を流し、電流が体水分に沿って流れる際に生じる電気的な抵抗のことです。この値は、全ての体成分結果の基礎となる重要な指標であり、基本的には結果用紙の右下に表示されます。機種やバージョンによってインピーダンスの確認方法が異なるため、以下で詳しく説明します。


●インピーダンスが数値で表示される場合

▲ InBody770のインピーダンス項目

InBody S10やInBody770などインピーダンスが数値で確認できる機種では、下記の条件に該当する場合、測定が正常に行われなかった可能性があります。

【エラーの主な条件】
① 5-500kHzの間で僅かでも逆転している箇所がある。
② 異常な高値(体幹50Ω以上、四肢700Ω以上)を示す箇所がある。
③ 値が急落(体幹10Ω以上、四肢100Ω以上)した箇所がある。


●インピーダンスがグラフで表示される場合(またはエラーコードのみが表示される場合)

▲ InBody970Sのインピーダンス項目

InBody970SやInBody BWA2.0Sなどインピーダンスをグラフで確認できる機種でも、下記の条件に該当する場合、測定が正常に行われなかった可能性があります。

【エラーの主な条件】
① 5-3000kHzの間で0.1Ω以上逆転している箇所がある。
② 異常な高値(体幹50Ω以上、四肢1000Ω以上)を示す箇所がある。
③ 値が急落(体幹10Ω以上、四肢100Ω以上)した箇所がある。

※機種により条件が異なる場合があります。詳細はお問い合わせください。

ただし、インピーダンスグラフではこれらの条件に当てはまるかどうかを判別することが難しいため、エラーコードを表示しています。
※本体設定より、インピーダンスグラフを表示せず、エラーコードのみを表示させることも可能です。

インピーダンスが正常に測定できた場合、エラーコードは[000/000/000]と表示されます。このコードに0以外の数値やアルファベットが記載されている場合はエラーとなります。エラーコードは[逆転/高値/急落]を意味しており、前の二桁にはエラーの起きた部位(RA:右腕・LA:左腕・TR:体幹・RL:右脚・LL:左脚)が、後の一桁にはエラーが起きた周波数帯域の場所を示す数字が印字されます。

▲ インピーダンスのエラーの例

エラーが発生してない部位であっても、測定結果が保証されるわけではありません。一ヶ所でも測定エラーが起きている場合は、その他の体成分結果についても不正確な恐れがあるため、再測定を行う必要があります。また、インピーダンスグラフの波形が明らかに乱れている場合も測定エラーとなります。


インピーダンスエラーの原因と対策

InBody測定後、結果用紙でインピーダンスエラーが確認された場合は、下記の3つの対策をご確認ください。

1.手や足が乾燥していないか確認する
電極と接触する掌や足裏などが乾燥してしまうと、体内に電流がうまく流れず、測定が正しく行われない可能性があります。乾燥している場合は、弊社から販売している電解ティッシュや濡らしたタオル等で皮膚がしっとりするまで湿らせてください。この時、アルコール成分を含むものを使用すると、かえって乾燥してしまう恐れがありますのでご使用をお控えください。また、保湿クリームなども電流が通りにくくなる原因となるため、使用しないでください。

2.電極の接触を確認する
電極を正しく握れていなかったり、装着式電極が浮いてしまい電極の金属部分と皮膚がしっかり接触していない場合、測定エラーの原因となります。そのため、電極と皮膚がしっかり密着しているかを確認し、どうしても電極が浮いてしまう場合は、測定する方の皮膚には直接触れないようゴム手袋や厚手のタオルなどの上から押さえ、電極と皮膚が密着するようにしてください。

3.測定環境・姿勢を確認する
測定の姿勢も重要なポイントとなります。腕と体や太ももの間が接触しないようにし、腕や脚は曲げずにまっすぐに伸ばして測定します。仰臥位で測定する場合、ベッドの金属柵に身体が直接触れないようにし、もし触れてしまう場合は厚手のタオルなどを挟んで測定してください。


インピーダンスからは分からない、よくあるエラーの原因

インピーダンスやエラーコードが正常でも、測定エラーになることがございます。測定結果がおかしいと感じた際は下記の項目もご確認ください。

1.個人情報の誤入力
・身長: 身長の誤入力は全ての測定結果に影響を及ぼします。身長のみを後から修正することはできませんので、正しい身長で再測定してください。

・体重: 仰臥位モデルの場合は体重が手入力となります。体重の誤入力は全ての測定結果(特に体脂肪量)に影響を及ぼします。体重のみを後から修正することはできませんので、正しい体重で再測定してください。

・年齢: 年齢は測定結果に一切影響を与えませんので、間違った年齢を入力されても問題ございません。

・性別: 性別も測定結果には一切影響を及ぼしません。ただし、性別を間違って入力すると標準範囲の基準が変わってしまいます。そのため、各体成分の値(例: 筋肉量〇kgなど)はそのまま使用できますが、棒グラフ上部に表示される標準値(%)や、「低・標準・高」で評価される標準範囲については、正しい評価ができなくなります。

・測定姿勢と電極モード: 仰臥位モデルでは、測定時の姿勢や電極が本体のモードと一致していないと測定値が正しく得られません。測定姿勢や電極のモードは結果用紙の右下で確認できます。もし異なるモードで設定されていた場合は、正しいモードを選択してから再測定してください。

2.測定時間の統一
人体に存在する体水分は、重力や身体活動の影響により、1日の中で体内を移動します。そのため、体成分の変化を確認する際はできるだけ同じ時間帯で測定することで、より正確に比較できます。測定時間は午前中が理想ですが、難しい場合は他の測定条件(空腹時測定など)を揃えた上で、毎回同じタイミングで測定することを推奨します。例えば、初回測定を15時頃に行った場合は、次回以降も15時頃に測定タイミングを揃えていただくと、1日の体水分変動の影響を抑えることができます。

3.測定の間隔
InBodyの測定は、健常者であれば月に1回程度を目安に行うことを推奨しています。筋肉量や体脂肪量は1日単位で大きく変化するものではなく、その日の浮腫みの程度などにも左右されてしまいます。そのため、明確な変化を感じるためには1~2ヶ月程度の期間が必要とされています。実際に、体成分は増減を繰り返しながら少しずつ変化しているため、毎日のようにInBody測定をしてしまうとその時々の結果で一喜一憂してしまい、結果としてモチベーションの低下に繋がりかねません。そのため、InBody測定は短い間隔ではなく、1ヶ月ほど間をあけて変化を確認していただくようお願いいたします。

4. 測定前・測定時の注意事項
測定前の条件もInBody測定においてはとても重要です。測定前に守っていただきたい注意事項をまとめている記事がございますので、コチラも併せてご確認ください。


終わりに

測定エラーが生じた場合でも、原因を確認し、測定環境や条件を整えて再測定を行うことでエラーが解消されることがあります。測定結果がおかしいと感じた際は、今回ご紹介した方法を参考に確認してみてください。

このトピックをご覧いただいても解決しない場合は、SNS(LINEInstagramX)または、お問い合わせフォームまでお気軽にお問い合わせください。