春日部第一薬局
-漢方・自然療法による健康相談-
✓InBodyを活用する目的
● 現在の筋肉量・体脂肪量・体型評価を基にしてダイエットの目標を決めるため
● 体の中でどのような変化が起きたのか、ダイエットの効果を確認するため
● InBody測定した結果から処方する漢方や食事指導を模索するため
✓InBody770導入の決め手
● InBodyの精度に関する情報を収集し吟味した結果、InBody以上に高精度で体成分を測定できる医療機器はないと判断できた点
✓得られた効果
● 測定結果や体成分の変化によって、処方する漢方や食事指導を一人ひとりに合わせられるようになった
● 筋肉量と細胞外水分比(ECW/TBW)を一緒に見ることで、むくみの改善も評価できるようになった
機種モデル:InBody770
1977年に埼玉県春日部市に開局された春日部第一薬局は、漢方薬や自然薬を取り扱う地域密着型の専門店・相談薬局です。幅広い年代を対象に、主にダイエット・子宝・アトピーなどの皮膚病に関する相談を行っており、一人一人の体質に合わせた漢方・サプリメント・健康食品を処方しています。40年以上に渡る豊富な知識や経験による実力が評価され、「漢方・相談」「子宝」「アトピー」の3部門で、2015年から6年間連続で全国実力薬局100選に選ばれています。その評判から、地元の方だけでなく全国各地や海外から一時帰国している方まで、世界各地からお客様が来店されています。
▲ 全国実力薬局100選は全国5万5千軒以上の薬局の中で高い実績をあげている薬局を各分野別に100社ずつ選定
継続して実践できる提案
▲ 関口 恭子先生(左)、矢野間 克成先生(右)
管理栄養士である関口 恭子先生は主に食事指導を担当しています。健康な体は食事から作られるため、全ての相談において体質に適した食事のアドバイスを行っています。関口先生は大学で栄養学を学び、栄養士の資格を取得しましたが、大学卒業後はアパレル関係の会社に就職しました。しかし、外見だけではなく、内面からの美しさも大切と考えるようになり、国家資格の管理栄養士を取得して2005年から春日部第一薬局で働き始めました。その後、取り扱っている商品をお客様に合わせて幅広く提案するために、医薬品登録販売者、日本臨床栄養協会認定のNR・サプリメントアドバイザー(健康食品に関する適切な情報を提供)、生活習慣病アドバイザー、ダイエットカウンセラーの資格を取得しました。
関口先生:
「一人ひとりの体質に合わせて体に合う食材・合わない食材を伝えていますが、重要なのはその人がどれだけ実践できるかだと思います。食事は毎日摂るものであり、生活スタイルによっては実践できないこともあります。基本的な栄養バランスや体質を考慮した食事内容をお伝えした上で、その方が実践できるベストな方法を相談しながら一緒に探すように心掛けています。」
主にダイエット相談を担当している矢野間 克成先生は、2011年から春日部第一薬局で働いています。それ以前はお笑い芸人として5年程活動していました。しかし、2011年に起こった東日本大震災の甚大な被害を目の当たりにして、人の死や親孝行について考えるようになり、両親が経営している春日部第一薬局に戻ることを決意しました。その後、矢野間先生は医薬品登録販売者と漢方ダイエットカウンセラーの資格を取得し、これまでに1,500人以上のダイエット相談を担当してきました。
矢野間先生:
「ダイエットは一生涯続くことなので、モチベーションを維持させることがとても重要です。結果が出ている方はモチベーションが下がることはないので問題ありませんが、結果が出にくい方は特に、モチベーションを維持していただく為にも我々のサポートが必要になってきます。そのような方へは、問題点を一緒に探すことも重要ですが、小さな変化でも見つけ出して褒めてあげることを心掛けています。小さな変化を見つけるにはInBodyが役立っていますし、お客様の改善点を褒めるトーク力はお笑い芸人時代の経験が役立っています。お客様が焦らず楽しくダイエットできるようなカウンセリングを心掛けています。」
カウンセリングに役立つツール
▲ ダイエット相談におけるカウンセリングの様子
春日部第一薬局で販売している商品は、体に良いものならメーカーやブランドを問わずに厳選されたものです。
関口先生:
「新しい商品を導入する際は、必ず該当商品の情報を徹底的に調べてから仕入れており、これは創業当初から変わらない方針です。主にダイエット相談で活用している体成分分析装置を導入したときも同様に、“良い機器にこだわって正確な情報を伝えたい” という思いがありました。」
春日部第一薬局は20年前からダイエット相談を受けており、その当時は他社の体成分分析装置を使用していました。しかし、2005年頃に春日部第一薬局の代表である矢野間 道明先生が、主に病院で導入されている医療機器の体成分分析装置があると知人から紹介を受けたのが、InBodyを導入するきっかけとなりました。話を聞いた矢野間先生はInBodyの精度に関する情報を収集し吟味した結果、これだけ高精度で体成分を測定できる機器は他にないと考え、当時の最新型であったInBody720を導入しました。現在は2014年に後継機として発売されたInBody770が使用されています。
▲ ダイエット相談で使用されているグラフ化体重日記
ダイエット相談では、起床後(トイレ前)・朝食直後・夕食直後・就寝直前の体重と、3食の食事内容を初回の相談時に渡された用紙に記入する、グラフ化体重日記を任意で記録してもらっています。これは体重の変動を意識してもらうためのものでありますが、体重の変化を見るだけでは体の中で起きた変化が分からないので、ここでInBodyを測定してその変化を確認します。
一人一人に合わせた指導
▲ 左: 過体重肥満型 右: 標準体重肥満型(隠れ肥満)
ダイエット相談の初回カウンセリングでは、先ずInBodyを測定して現在の筋肉量、体脂肪量、体型評価を基に目標を決めます。筋肉量と体脂肪量が多い過体重肥満型に該当した方(上図左)は、体脂肪量を月にどれくらいのペースで減少させるかを決めます。また、体脂肪量の割合が多い標準体重の隠れ肥満型に該当した方(上図右)は体脂肪量の減少だけではなく、筋肉量の増加も目指します。1ヶ月目は週に1回、若しくは10日に1回通ってもらい、2ヶ月目以降は2週に1回通ってもらいます。来店時は毎回InBody測定を行い、前回と今回の測定結果を比較して体成分の変化を確認するようにします。
矢野間先生:
「例えば、2週間で筋肉量を維持しながら体脂肪量が減少している方は、順調に体脂肪量が改善しているため、服薬や食事を継続するように伝えています。その一方で、体脂肪量はそのままで筋肉量が増加して体重が増えている方は、筋肉量は維持しながら体脂肪量を減らせる処方と一緒に食事指導のアドバイスを行っています。また、変化が停滞している方に関しては、前回の測定結果と比較するとモチベーションが下がりやすいので、1~2ヶ月前か初回測定時の結果と比較することで長期にわたって改善されている点を探して伝えています。」
このようにInBodyで測定した体成分結果の変化から処方する漢方や食事指導を変えています。女性ホルモンの状態を整えて食欲をコントロールしたり、冷え性・むくみ・貧血などの悩みを改善させたりする漢方や、筋肉量が少ない高齢者には筋肉量の増加を促す漢方などを数種類組み合わせて処方します。勿論、処方するのは漢方だけではなく、サプリメントや健康食品が含まれることもあり、年代や体質に合わせたもの、美容やアンチエイジングなどの要望に合わせたものを選択して提供します。
矢野間先生:
「ダイエットを始めて何回か通われ、1週間や10日程度の測定結果を比較すると、体脂肪量は変わらずに体重と筋肉量が減少している変化を見ることがあります。しかし、筋肉量は短期間では減少しないため、InBodyが測定する筋肉量の主な構成成分である水分が減少したことを説明し、筋肉量が減少したわけではなく、むくみが改善したことをお伝えします。InBodyはこのようなむくみを発見することができるので、お客様も説明に納得していただけます。」
※棒グラフは取材を基に再現したイメージグラフです。
▲ むくみが改善すると、体内の余分な水分が減少するため、筋肉量だけではなく細胞外水分比も低下
むくみとは筋肉組織に余分な水分が溜まった状態を指します。筋肉量は体の水分を含んで構成されているため、むくみのある人がInBodyで測定すると実際よりも多い筋肉量が計測され、体の水分バランスを示す細胞外水分比(ECW/TBW)は血漿や間質液などの細胞外水分量が多くなる形で高くなります。むくみを改善する漢方などで体内の余分な水分が減少してむくみが改善すると、筋肉組織の余分な水分は減少して、むくみがあるときよりも筋肉量は少なく計測されます。筋肉量だけを見ると、筋肉が減ってしまったように見えますが、これは筋肉量の減少ではなく、筋肉から余分な水分がなくなったことを意味し、水分バランスが改善することで細胞外水分比も低くなります。つまり、筋肉量と細胞外水分比を一緒に見ることで、むくみの改善度を評価することができます。
また、食事指導では記録してもらった内容に対して栄養バランスだけではなく、体質に合った食事のアドバイスを行っています。例えば、生トマトは体を冷やす食材であり、夏の時期に摂取する食材としては適していますが、冷え性の方が冬場に摂取し過ぎてしまうと余計に体を冷やすことにもなります。また、皮膚病でトマトが合わない方もいるため、食材の説明も疾患や悩みに合わせて行っています。
▲ 体型評価における「痩せ」の評価
矢野間先生:
「ダイエット相談に来られる方の中には主観的に太っていると思い込み、より痩せたいという拒食症に近い状態になっている方もいます。そのような方は、InBodyの体型評価で “痩せ” と評価されますが、この項目を説明することで、現状を自覚していただけます。”太っている自分は綺麗じゃない” という考えが強いので、体重減少ではない体重増加を目指す逆ダイエットに抵抗を持つ人もいますが、適切な食事を摂って綺麗に健康を維持できるように指導をします。」
体重減量だけでないダイエット相談
ダイエットにおいて目標とした体重まで減量することはもちろん重要なことです。実際に、春日部第一薬局でダイエット相談を行った方の中には、約1年で30kgの減量に成功し、良い結婚相手と出会うことができたなど、ダイエットで人生が変わった方もいます。YouTubeではダイエット相談の体験談が公開されています。
一方、春日部第一薬局のダイエット相談には体重減量だけではなく、健康維持や美容・アンチエイジングを目的に来店される方もいます。体重減少だけではなく、維持や管理もダイエットだと気づかせてくれた60代女性のお話を伺いました。
矢野間先生:
「その女性は目標としていた体重減量10kgのうち、6kgしか減量できませんでしたが、ずっとここに通い続けてくれていました。当時はダイエット相談を始めてから2~3年目で、結果を出すカウンセリングや指導ができていないと考え、申し訳ない気持ちもあったのでそろそろダイエットを止めませんかと声を掛けました。しかし、その女性は相談のために来店して話をすることが習慣になっており、体重減少だけではなく維持や管理のために来ていると言いました。その言葉を聞いて、ただ体重を落とすことが重要ではなく、その人に適したペースでダイエットを進められるようにアドバイスをすることが、本来の薬局における健康相談のカウンセリングだと気づきました。それ以来、ダイエット相談では期間を設けておらず、本人が納得するまで通い続けてもらっています。」
中には6~7年通い続ける常連の方もおり、痩せるだけではなく美容やアンチエイジングを目的とした商品を購入されることがあります。春日部第一薬局で商品を購入された方は、無料でInBodyを測定することができ、商品を購入しなくても有料(1回1000円)で測定サービスを受けられます。継続的に測定される方も多く、健康管理の習慣づけができています。また、春日部第一薬局が「InBody測定ができる施設」に公開されて以来、InBody測定を目的に来店される方も増えました。
▲ 産後ダイエット相談を目的に来店された、赤ちゃん連れのお母さんがInBody測定をしている様子
最近は関口先生がご自身の出産経験を活かして、産後ダイエット・ケアや育児・食事相談なども行っています。
関口先生:
「最近の産後の女性は育児をしながら働いている人も多いため、体調が優れない中でも無理していることがとても多いです。そんな女性の頑張っている姿を応援したいという思いから産後ダイエットの相談などを始めました。産後は体脂肪量が減少しにくい体質に変わったり、育児・仕事などで運動する時間を確保できなかったりしますが、漢方の処方や食事指導をすることで、本格的に相談を始めてから1ヶ月間で4.8kgの減量に成功した方もいます。」
身近な存在を目指す漢方薬局
春日部第一薬局に来店されるきっかけはホームページ経由が多いですが、知人の紹介やSNSの口コミを経由して来店される方もおり、昔よりも漢方が身近になってきています。
関口先生:
「病院で診てもらうほどではない不調な時に、気軽に相談できる場となり、漢方を選択肢の1つとして考えていただければ嬉しいです。また、近年では予防医学が重視されており、私たちのような漢方薬局がお役に立てると思っています。事実、食事の大切さなどの健康に関する情報はインターネットから簡単に知ることができますが、中には古い情報や間違った情報も混じっているので、最新の正確な情報は専門家から聞くことが一番確実です。そのため、これからは人々の役に立つような正しい情報を専門家の立場として、春日部第一薬局に通っていただいている方だけでなくホームページやSNSからも発信していきたいです。」