まんかいメディカルクリニック(フィットネス部門)
-メディカルフィットネスに欠かせないInBody-

✓InBodyを活用する目的
● 入会時のオリエンテーションに活用するため
● 患者の健康状態を視覚的かつ客観的に確認し評価するため
● 測定データの収集や分析を行い、患者の指導に活用するため

✓InBody380導入の決め手
● 測定時間が約30秒と非常に短く、スムーズに測定を行える点
● クラウド型データ管理サービス「LookinBodyWeb」と連携でき、データの比較や分析が簡単に行える点

✓得られた効果
● 1ヶ月に1回の測定で体の変化に早期に気づき、改善やモチベーション向上に繋がった
● 定期的な測定が習慣化することで、患者が自ら体成分を良くするための行動変容が見られた

機種モデル:InBody380

まんかいメディカルクリニックは、兵庫県三田市にある総合健康施設です。内科・呼吸器内科・小児科・形成外科・皮膚科などの総合診療に加え、救急科や訪問診療など幅広い医療を提供し、地域住民の健康を支えています。また、これらの医療部門だけでなく発達児童支援や要支援・要介護認定を受けた高齢者向けの運動リハビリテーション、フィットネス施設も完備しており、多岐にわたるサービスを全て一つの施設内で提供しています。中でも生活習慣病治療に力を入れており、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの患者を対象とした 「さんだ生活習慣病プログラム」 を展開しています。

さんだ生活習慣病プログラムは、医療・運動・栄養の三つの側面から生活習慣病の改善と予防に取り組むプログラムです。まんかいメディカルクリニックでの薬物治療に加え、厚生労働省に指定運動療法施設として認定されたフィットネス施設での運動療法、さらに食事療法を組み合わせることで、専門的なサポートを受けながら効果的に健康管理ができます。

さんだ生活習慣病プログラムの管理者である多田 協史(ただ きょうし)さんは、小学校・中学校・高校の教員としての経験を経て、2021年8月にまんかいメディカルクリニックに入職しました。入職後は児童発達支援事業とフィットネス事業の二つの事業に携わっていましたが、2024年1月にフィットネス部門の管理者を専任するようになりました。

▲ 多田 協史さん

多田さん:
「8年ほど前から、ジュニアラグビークラブでまんかいメディカルクリニックの理事長である田場先生と一緒にコーチをしておりました。そのご縁があり、当院に入職することとなりました。現在はフィットネス部門の責任者として、患者様への運動指導や運動メニューの作成、療養計画書の作成、スタッフの教育などを行っています。入職後に取得した健康運動指導士の資格を活かし、患者様一人ひとりにフィットするようなサポートを行っています。」


さんだ生活習慣病プログラムの流れ

まんかいメディカルクリニック2Fのフィットネスエリアは厚生労働省に指定運動療法施設として認可されています。そのため、まんかいメディカルクリニックで運動処方箋を作成された患者は、施設の利用料が医療費控除の対象となります。また、まんかいメディカルクリニックで生活習慣病と診断された患者は 「さんだ生活習慣病プログラム」 の案内を受けます。プログラムを実施することになった患者はフィットネスのシステムに登録し、運動支援を受けながら生活習慣病改善に取り組みます。このように、医療と運動の両面からサポートを行う施設は、一般的に 「メディカルフィットネス」 と呼ばれます。

▲ さんだ生活習慣病プログラムの詳細

多田さん:
「さんだ生活習慣病プログラムにご登録いただければ、患者様はいつでも当施設にてトレーニングを行うことができます。『Exercise is Medicine』 という言葉があるように、運動そのものが薬になるという観点から患者様が継続して適量の運動を行えるようなトレーニング環境を整えています。当施設はクリニックとフィットネスが同じ施設にあるため、医療と運動の両面から個々に合わせた手厚いサポートができます。この点がメディカルフィットネスの大きな特徴であり、良いところだと考えています。運動だけでなく医療の観点からも指導することで具体性と説得力が増し、患者様自身がどのような行動をするべきかを理解しやすくなります。私たちは行動変容という概念を大切にしていますが、結果として患者様が主体的に行動を変化させていく姿を見守ることができるのは非常に嬉しいことです。」


患者の行動変容に繋がるInBody380

2013年11月に同系列の介護施設へInBody720が導入されていましたが、十分に活用できていない問題がありました。そこで、2018年4月のフィットネス部門開業に合わせてInBody720を移設し、患者の体成分モニタリングに活用しようと試みていました。その後、2024年3月にInBody380が発売され、より進化した性能や利便性に魅力を感じたことをきっかけに買替を決意しました。

▲ フィットネスエリアに設置されるInBody380

多田さん:
「InBody720は入会時のオリエンテーションや測定データの収集・分析に活用できると考えて、まんかいメディカルクリニックのフィットネス部門に移設しました。ですが、測定に90秒かかることや結果の解釈が難しいことから、活用したいという想いはあったものの、うまく使いこなせず悩んでいました。そんな中、インボディの西田さんからInBody380が新発売されることを伺いました。InBody380は測定時間が約30秒と非常に短く、スムーズに測定が行えます。また、クラウド型データ管理サービスのLookinBody Web(以下、LBWeb)を併用することで測定データの管理が容易になり、過去のデータとの比較や分析を簡単に行える点も非常に魅力的でした。これらのメリットを踏まえ、InBody380の導入を決意しました。」

さんだ生活習慣病プログラムでは、医療・運動・栄養のサポートを行った効果をチェックするため、様々な測定を行います。その測定ツールの一つとしてInBody380が活用されています。全身に加えて部位別 (両腕・体幹・両脚) の筋肉量や体脂肪量も測定できるため、各成分のバランスまで細かく確認できます。

▲ InBodyの測定風景

多田さん:
「フィットネス利用時だけでなく受診のみの際にも気軽に測定できるよう、フィットネスエリアの入り口付近にInBodyを設置しています。InBody720導入時は3ヶ月に1回測定していましたが、この頻度では期間が空いてしまい変化を見逃しやすくなるため、成果を実感しにくくモチベーションを維持しづらいという課題がありました。現在はInBody380の導入を機に、1ヶ月に1回の測定を推奨しています。これにより、敏感に体成分の変化をとらえて悪い傾向は早期に是正でき、良い変化はモチベーションの向上に繋げられます。体の変化をタイムリーに把握するためには、こまめな測定が欠かせないことを実感しました。定期的な測定が習慣化されることで、今では患者様自身が体成分を良くするために行動を変えていく姿が見られるようになりました。」


LBWebで実現する効果的な健康サポート

InBody測定は1枠20分で実施しており、患者自身がシステムから測定日を予約いただきます。単なる測定に留まらず、この1ヶ月間の生活習慣や行動に関するヒアリングも併せて行い、InBodyの結果を基に一人ひとりに合わせた詳細なレビューを提供するためです。レビュー時には、前回の測定結果と比較しながら変化を確認します。前回の結果用紙は、スタッフがタブレットでLBWebから表示するため持参する必要がありません。InBodyは患者の健康管理をサポートするだけでなく、重要なコミュニケーションツールとしても一役買っています。

▲ 今回の測定結果(紙)と前回の測定結果(LBWeb)を比較し体成分の変化を確認

多田さん:
「私たちはタブレット上のLBWebにて患者様の前回の結果を表示し、今回の測定結果と前回からの変化を明確にお見せしています。特に、筋肉量や体脂肪量の変化に重点を置いて説明しています。高血圧を例に挙げると、筋肉は血液を送り出すポンプの役割を果たしているため、筋肉量を増やすことで血流が改善されて高血圧の予防や改善に役立ちます。中でも、ふくらはぎや太ももの筋肉は 『第二の心臓』 とも呼ばれるほど血流の循環に大きく関与しているため、下肢の筋肉量の変化を特に重視しています。

InBody380を導入してから1年間ですでに「約2,700件(約550名)」の測定を実施しています。これらの測定データがLBWebに蓄積され、ネットワーク経由で一元管理や分析が可能です。LBWebを活用することで、施設のスタッフは患者様の測定結果を効率的に確認でき、データに基づいた適切なサポートが可能になります。また、測定データは患者様のInBodyアプリにも即時反映されるため、筋肉量や体脂肪量など自分の体の状態をいつでも確認でき、継続的な健康管理に役立てることができます。」

▲ LBWebのダッシュボード画面

多田さん:
「患者様の測定データの確認だけでなく、ダッシュボード機能も積極的に活用し、健康管理に役立てています。ダッシュボードでは、期間ごとの筋肉量や体脂肪量の変化、InBody測定回数の推移、性別・年齢ごとの体成分の平均値などを確認できます。特に注目しているのが、1年間で測定した患者様全体の “体脂肪変化量” です。生活習慣病、特に脂質異常症の患者様が多く、体脂肪量の減少を目標に掲げる方が大勢いらっしゃるため、運動指導を通じてそのサポートを行っています。その結果、2025年6月現在で、患者様全体の体脂肪量は 『-302.4kg』 の減少を達成しました。さらに、筋肉量に着目してみると患者様全体で 『-13.9kg (1人当たり-0.025kg)』 の変化であることから、筋肉量を維持しながら体脂肪量を減らせていることが分かります。これは大きな成果です。今後もLBWebを活用し、患者様一人ひとりに適した運動指導を提供していきます。」


実際に改善が見られた例

フィットネスエリアは生活習慣病を抱える多くの患者が利用しており、トレーニングだけでなく日常生活の習慣改善も重視しています。運動指導ではトレーニングのポイントに加え、生活で取り入れていただきたい習慣についてもアドバイスしながら健康状態の改善をサポートしています。その結果、多くの患者に良い変化が見られています。ここでは、その中でも良い変化が見られた患者(Aさん)にお話を伺いました。

➤Aさん: 50代・女性・高血圧

―通い始めたきっかけは何ですか?

Aさん:
「市民病院から循環器病院に移った際に高血圧と診断され、『まずは体重3kg減量しましょう』 と指導を受けました。ただ、それまで運動の習慣がなかったため、何をすべきか分からず戸惑っていました。そんな時に友人からまんかいメディカルクリニックのフィットネス施設を紹介され、通うことを決めました。」

―通って良かったと思うことは何ですか?

Aさん:
「月に1回、医師の診断を受けることができ、またフィットネスエリアのコーチも優しく丁寧に指導してくれました。医療的な視点と運動的な視点の両面からアドバイスをいただける環境は、非常にありがたく感じています。また、InBodyの測定結果から自分の努力の成果を数値で実感できるため、励みになっています。」

―Aさんにどのような指導を行いましたか?

多田さん:
「主に体脂肪量を減らす形で体重3kg減らすことを目標に、有酸素運動や抵抗運動に加え、栄養指導取り入れながら指導を行いました。その結果、3ヶ月間で体重は3.3kg減少し、目標を達成することができました。また、体重3.3kg減少の内訳を見ると、体脂肪量が3.5kg減少、筋肉量が0.3kg増加しており、筋肉量を維持したまま体脂肪量を効果的に減らすことができたのは、Aさんの継続的な努力の賜物です。Aさんが成功した大きな要因は、当プログラムを開始したことで、実行するべきこと(習慣)が明確になったことだと考えています。今後も私たちコーチは、患者様がやるべきことを見失わずに取り組めるよう、引き続きサポートしていきたいと思います。」

▲ Aさんの体成分履歴(3ヶ月の変化)

―最後に一言お願いします。

Aさん:
「通い始めは運動が苦手だったこともあり不安でいっぱいでした。いざ取り組んでみるとコーチの皆さんが優しく丁寧に指導してくださり、自然とこちらに通うことができました。また、この3ヶ月間は自分の日常を振り返り、見直す良いきっかけにもなりました。今ではInBody測定の日が楽しみになり、それに向けて努力しています。これからも、前向きに明るく運動療法に取り組みたいと思います。」


メディカルフィットネスにおけるInBodyの役割

生活習慣病の患者は年々増え続けており、それに伴い治療や改善の重要性が高まっているものの、医療・運動・栄養のサポートを一貫して受けられる施設はまだ少ない現状があります。例えば、医師から運動を勧められても 「何をすれば良いのか分からない」、あるいは 「運動を始めてみたものの、その効果が出ているのか分からない」 といった不安を抱える方も少なくありません。

まんかいメディカルクリニックでは、医療・運動・栄養の連携による総合的な支援を受けられる環境が整っており、患者に合わせた最適な取り組みを提供します。さらに、InBodyを始めとする様々な測定ツールを活用し、運動や生活習慣の改善による体の変化を客観的に確認できます。実際に数値として成果が見えることで、患者のモチベーション向上にも繋がり、多くの方に喜ばれています。

▲ 運動指導の様子

多田さん:
「当施設では、InBodyが欠かせない存在となっています。メディカルフィットネスとして、患者様の健康状態の改善を何よりも重視しているため、その成果を視覚的にかつ客観的に確認できることが重要です。InBodyは簡単に測定でき、結果も分かりやすいため、患者様が自身の変化を実感しやすいツールとなっています。現在、医療担当とフィットネス担当がバディを組み、それぞれの専門的な視点から患者様の症状改善に取り組んでいます。InBodyの測定結果は医療担当と一緒に確認し、患者様に現在の体の状態を丁寧に説明したうえで、より良い数値を目指すためのアドバイスを、医療とフィットネスの両面から行っています。毎月1回のInBody測定をルールとしており、定期的な数値の変化をもとに、さらなる指導やトレーニング内容を提案しています。これからも、医療とフィットネスの連携をさらに深めながら、InBodyを最大限に活用し、患者様の健康づくりをサポートしていきたいと考えています。」


終わりに

多田さん:
「これまではスタッフがいる時間のみ測定を行っていましたが、現在はスタッフがいない時間帯でも患者様がInBodyを測定し、それを我々がフィードバックできるよう、LINE公式アカウントを活用したリモートレビューを行う仕組みを導入しました。患者様が自分で測定したデータをLBWEB上でスタッフが確認でき、リモートでのレビューが可能になることで患者様がより手軽に測定できるようになりました。またInBody380は持ち運びも可能なため、三田市内の企業や地域のイベントにも持参し、地域住民の皆様にもぜひ測定してもらいたいと考えています。InBodyを通して自分の体を知るきっかけを提供し、地域の健康意識を高めるサポートもしていきたいです。」

多田さん:
「さんだ生活習慣病プログラムの名称に “さんだ” を入れている理由は、当施設の健康管理の対象が三田市の全住民であることを示すためです。私たちは、三田市をウェルネス文化が根付いた町にすることを目標として掲げています。当施設だけでなく、様々な場所でトレーニングや栄養指導などを行い、地域全体の健康を底上げすることを目指しています。さんだ生活習慣病プログラムを通じて、地域住民が日常的に健康意識を高めるような取り組みを行っていきます。地域住民が健康づくりに積極的に参加し、ウェルネスの重要性を実感できる町にすることができれば、非常に嬉しく思います。」