積水化学工業株式会社 滋賀水口工場
-InBody Challengeで従業員の健康増進を加速-
✓InBodyを活用する目的
● 従業員の健康意識を高めるため
● InBodyを活用した健康イベントを実施するため
● 健康に関するアドバイスに説得力を持たせるため
✓InBody270導入の決め手
● 部位別に筋肉量や体脂肪量を測定できる点
● 年齢や性別による補正が使用されていない点
✓得られた効果
● InBodyの測定値があることで健康に関するアドバイスがしやすくなり、健康指導に説得力が増した
● 今までの健康イベントでは参加してくれなかった従業員も参加してくれるようなイベントになった
機種モデル:InBody270
積水化学工業株式会社は、プラスチック製品のパイオニアとして1947年に創業し、日本を拠点に活動するグローバル企業です。従業員数は25,000名を超え、世界中に200社近くのグループ会社を展開しています。レジデンシャル(住宅事業)・アドバンストライフライン(社会インフラ)・イノベーティブモビリティ(エレクトロニクス/移動体)・ライフサイエンス(健康・医療)の四つの主要な事業を展開し、我々の暮らしや地球環境の向上に貢献しています。
その中でも滋賀水口工場はイノベーティブモビリティの事業に属す、高性能プラスチックカンパニーの中心的な存在です。スマートフォンに使われる微粒子製品や車のフロントガラスに使用される中間膜素材、半導体を作るのに必要不可欠な機能性樹脂など様々な製品を製造しており、それぞれが世界シェアトップクラスの製品となります。
積水化学工業株式会社は 「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」 という考えのもと、従業員の心身の健康増進に積極的に取り組んでいます。8年連続で 「健康経営優良法人大規模法人部門(ホワイト 500)」 に認定されており、社会的にもその努力が認められています。健康増進の一つの取り組みとして各事業所や工場に医務室を設置しており、滋賀水口工場にも医務室が設置されています。
▲ 左から出口 祐美子さん、吉瀧 節子さん
世界でもトップシェアを誇るモノづくり現場の健康を支えるのが、滋賀水口工場の医務室です。従業員の健康管理だけではなく健康診断や健康イベントの企画、産業医の先生による自由診療、カウンセラーによるメンタルヘルスケアサポートなども行っています。グループ会社や協力会社を含め1,000名弱もの健康管理を任されている、産業看護師の出口 祐美子さんと吉瀧 節子さんにお話を伺いました。
出口さん:
「私は2015年に積水化学工業株式会社に入社しました。それ以前には、総合病院での看護師の経験や一般企業での産業看護の経験を積んでおり、その経験を活かして滋賀水口工場では医務室を担当しています。現在は、健康診断後の従業員の健康フォローや休職中の従業員のメンタルサポート、健康イベントの企画・運営などを行っています。」
吉瀧さん:
「私は派遣として働いている期間も含めると、20年間積水化学工業にお世話になっています。滋賀県は地域柄なのか、車移動が多く歩く機会が少ないため、肥満や肝機能障害に悩む従業員が多い傾向があります。また、製造現場で働く従業員は力仕事が多いため筋肉量が多いですが、夜中や交代勤務明けに食事をすることが多く、理想的な食事時間とずれてしまうことがよくあります。そのため筋肉だけでなく、脂肪が蓄積されてしまっている従業員も多く見られます。医務室では食事や運動に関する指導を積極的に行い、従業員の健康改善に努めています。」
従業員の健康を支えるInBody
従業員の健康意識の向上や、運動・食事の改善などの効果を可視化することを目的に、2020年にInBody270を導入しました。InBodyは医務室に常設され、従業員はいつでも測定できます。
▲ 医務室に設置されたInBody270
吉瀧さん:
「健康改善に向けて様々な指導を行っていましたが、従業員が興味を持てずに行動に移せないこと、指導効果が結果に表れず改善が見えないことに悩んでいました。また、従業員に健康指導を行う際に医務室でお伝えできる健康の指標が当時は体重だけでした。体重だけでは健康指導に説得力を持たせることが難しく、指標として活用することに限界を感じていました。」
出口さん:
「産業医の先生から、『自分のクリニックにInBodyを導入していて、InBodyでは体重の内訳として筋肉量や体脂肪量も測定できるからオススメだよ』 と伺いました。さらにInBodyは、部位別に筋肉量や体脂肪量も測定できるため、実際に従業員が測定した数値をもとにより詳細な健康指導を行うことができ、説得力が増すと感じました。また、InBodyは測定値を補正することがなく、実測値のみから測定者のありのままの体成分を正確に測定できるという大きな特徴が決め手となり、InBody270を導入することにしました。」
従業員の健康増進のモチベーションを高めるInBody
40歳以上の従業員は、年に1回行う健康診断の結果を産業医の先生から説明される時間が設けられています。その際に必ずInBodyも測定しており、健康診断の結果と合わせて自分の体成分と向き合います。
▲ 体重はやや増加しているが「筋肉量:増加、体脂肪量:減少」のため良い変化が起こっていることが分かる
▲ 体重はほとんど変わらないが「筋肉量:減少、体脂肪量:増加」のため悪い変化が起こっていることが分かる
出口さん:
「InBodyを測定した従業員には、結果用紙をお渡ししています。また、InBodyアプリもご案内し、測定結果をアプリ内に転送することで、スマートフォンでいつでも測定結果を見返せるようにしてもらっています。特にInBodyの項目で説明しているのは、筋肉-脂肪の項目です。体重の変化だけでは見えにくかった筋肉量や体脂肪量の変化も確認できるようになり、単なる体重の増減にとどまらず、筋肉量の増加や体脂肪量の減少といった、より健康的な変化が起こっているかどうかまで確認することができるようになりました。 また、部位別の筋肉量や体脂肪量の項目についても、『過去と比較してこの部位が良くなってきているね』 と説明すると、頑張った成果が数値として現れることに喜びを感じていただけます。」
吉瀧さん:
「以前は体重のみを指標としていたため、トレーニングを頑張っても体重に変化が見られないことで、モチベーションが下がってしまっていた従業員もいました。InBodyを導入して一番良かったと感じる点は、体重が変化していなくても、筋肉量や体脂肪量の数値から体質が改善されているかどうかを確認できることです。また、私たちも明確な数値があるとから健康に関するアドバイスがしやすくなり、以前よりも健康指導に説得力が増したと感じています。」
▲ InBodyを測定される千葉さん
InBodyが導入されてからは、測定を目当てに継続的に医務室に来るようになった従業員もいます。以前は、医務室は体調が悪い人が集まる場所でしたが、今では健康な人も集まるようになり、医務室が従業員のコミュニケーションの場となっています。中には、週1回トレーニングの成果を確認するためにInBodyを測定している方もいます。実際に定期的に測定を継続している千葉さんと辻さんにお話を伺いました。
千葉さん:
「私は中間膜製造部で製品開発を担当しています。InBodyを初めて測定した時は、予想以上に体脂肪量が多く、太っていると危機感を覚えました。最近は減量を意識しており、体脂肪量を減らしながら筋肉量を維持できているかを数値で確認するため、週1回程度の頻度でInBodyを測定しています。しかし、あくまでもInBodyは補助的なツールとして捉えています。自分のトレーニングが正しかったかどうかは、鏡で見える体の状態で見定めており、その上でInBodyの数値が自分の体の変化と一致しているかを確認しています。私にとってInBodyは体の状態を数値で裏付けてくれる心強い存在です。」
▲ InBody測定後にフィードバックを受ける辻さん
辻さん:
「私はファインケミカル事業部で製造を担当しています。InBodyを初めて測定した時は、全身や部位別の筋肉量、体脂肪量など、こんなに細かいところまで測定できるのかと驚いたことを覚えています。両腕・体幹・両脚の部位別に筋肉量や体脂肪量が数値化されることに面白さを感じました。2ヶ月に1回程度、医務室に寄ってInBodyを測定するようにしています。特に注目している項目は部位別筋肉量です。最近では上半身の筋肉量を増やすことを意識してトレーニングしているので、両腕や体幹の筋肉量の変化を確認しています。上半身の筋肉量が少しずつ増えてきているので、狙い通りにトレーニングができていると感じます。今後も上半身のトレーニングを継続し、InBodyを定期的に測定することで、自分の体が思い通りに変化しているかを確認し、がっちりした上半身を目指していきたいと思います。」
▲ 辻さんの3ヶ月間の変化(両腕・体幹の筋肉量が増加)
InBody Challengeを活用した従業員の健康増進
滋賀水口工場では、年に1回健康イベントを企画し、運営しています。2020年にInBody導入して以来、健康イベントにInBodyを活用しています。2024年には、インボディ社が開催している 「InBody Challenge 2024 (開催期間:2024年6月~9月)」 に合わせて、滋賀水口工場でも同じ期間でInBody Challengeを開催しました。
▲ 医務室入り口に掲示されているInBody Challengeポスター
出口さん:
「InBodyを導入してから、インボディ社のホームページをよく見ており、InBody Challengeが以前から開催されていることは知っていました。インボディ社から送られてきたメールにて2024年度のInBody Challengeの開催期間を知りました。ちょうど8月末に従業員の健康診断が予定されていて、InBody Challengeに従業員を参加させることで健康診断の結果の改善に繋がるのではないかと考え、当工場でもInBody Challengeを開催することにしました。」
滋賀水口工場でのInBody Challengeの運用は、以下の流れで行います。
InBody Challenge運用フロー
STEP1
告知
・インボディ社から送られてきたポスターを掲示
・社内掲示板にInBody Challengeの開催内容を告知STEP2
エントリー
・InBody Challengeのエントリー方法を社内掲示板等で告知
・医務室に来た従業員に積極的にエントリーのご案内STEP3
初回測定・提出
・初回測定期間中の都合の良い時間に医務室に測定しに来てもらう
・インボディ社のLINEに初回測定の結果を提出させる
・初回測定時に「氏名・ニックネーム・InBody点数」をリスト化するSTEP4
最終測定・提出
・最終測定期間中の都合の良い時間に医務室に測定しに来てもらう
・インボディ社のLINEに最終測定の結果を提出させる
・参加者リストに最終測定時のInBody点数を記載するSTEP5
表彰
・参加者リストをもとに順位付けを行う
・入賞者に景品をプレゼント
「インボディ社のInBody Challengeに則って開催したため、運用の流れや詳細を新たに決める必要がなく、イベント告知のためのポスターやエントリーフォームなども作成する手間がかかりませんでした。インボディ社から送られてきたポスターは、できるだけ目につきやすいよう本館の掲示板や更衣室・医務室などに掲示しました。」
▲ 従業員同士でInBodyの結果用紙を見せ合って談笑している時の様子
出口さん:
「当工場が企画したInBody ChallengeもInBody点数部門 (InBody点数が一番高い人が優勝) とInBody点数増加量部門 (期間中、InBody点数の増加量が一番高い人が優勝) の2部門に分け、性別ごとに順位をつけました。各部門の1位~3位の方には、地元の特産品である近江牛を景品として用意し、参加者全員には参加賞も準備しました。このような景品がもらえることが工場内で広まった結果、健康イベントへの参加者が年々増加し、今年のInBody Challengeには96名参加してくれました。」
▲ 食堂に設置されるInBody Challengeのご案内
出口さん:
「最終測定期間までに参加者が健康増進に向けた行動を促進できるよう、インボディ社がInstagramやホームページで配信している健康に関する情報を活用しました。従業員がよく利用する食堂などに運動や栄養改善に役立つ情報を掲示するなど、3ヶ月間継続して取り組んでいただけるよう工夫しました。当工場には、フィットネスジムやグラウンドの設備も備わっているため、InBody Challenge入賞を目指して、お昼休みに運動している方もたくさん見受けられました。」
実際に工場内InBody ChallengeのInBody点数部門で入賞したいまこさんとROYMAMAさんにお話を伺いました。
いまこさん【InBody点数部門(男性) 1位】:
「InBody Challenge期間中は、筋力トレーニングを週4~5回、最低1時間は行っていました。今回のイベントを通じて、食事内容に気を配るようになりました。食事量はできるだけ変えずに、タンパク質を多く含む食材を選んだり、必ず野菜を摂ることを意識するようになりました。今後もトレーニングを継続し、InBody測定で体脂肪率1桁台を目指したいと思います。」
ROYMAMAさん【InBody点数部門(女性) 2位】:
「InBody Challenge期間中は、イベントに一緒に参加しているメンバーと週1回、ゴルフの打ちっぱなしに行きました。大好きなゴルフは趣味でもあり、ストレスなく楽しく続けられました。イベントの開始前後にInBody測定を行うことで、体の変化を数値で確認でき、運動した成果が数値に表れることで達成感が得られました。今後もこのイベントを通じて身に付けた運動習慣を、メンバーと一緒に楽しみながら続けていきたいと思います。」
終わりに
出口さん:
「来年度もInBody Challengeを実施したいと思います。当工場でもInBody Challengeという言葉が認知されてきており、従業員から次のInBody Challengeはいつ開催されるか、下期にもInBody Challengeを開催してほしいなどのお声が寄せられています。今までの健康イベントでは参加してくれなかった従業員が参加してくれるようになってきたこともInBodyのおかげかもしれません。また、日頃からInBodyを測定しに医務室に来てくれることで、多くの方の顔や様子を観察でき、何気ない会話からその方の様々な情報を知るきっかけにもなっています。私自身、3年前に職場の人から誘われてマラソン大会に出場しましたが、今では私が職場の人たちにお声掛けしてマラソン仲間を集めるようになりました。今年の11月には甲賀市で開催されるあいの士山マラソンでハーフを走る予定です。InBodyを導入したことが、従業員の健康増進と様々な活動にチャレンジする意欲に繋がったと感じます。」
吉瀧さん:
「積水化学工業株式会社では、働きやすい環境づくりを大事にしています。InBodyを導入してからは、職場の皆さんがチームになってInBodyを測定しに来る姿が見られるようになりました。InBodyが健康管理のツールに留まらず、社内のコミュニケーションツールの一つにもなっているのを見て、面白いなと感じています。メンタルダウンしている人を見ていると、人間関係が上手くいっていない方が多いことを実感します。InBodyが社内のコミュニケーションを活性化し、より良い人間関係の構築に繋がることで、従業員の心身の健康を維持・向上できればと思っています。これからも働きやすい環境づくりの一環としてInBodyを積極的に活用していきます。」