シーラボ上越
-最新機種を使用したスポーツトレーナー活動-
✓InBodyを活用する目的
● 取り組んだ運動の成果を数値化し、明確に効果を感じてもらうため
● アスリートや近隣高校の部活動チームのサポートに活用するため
✓InBody970導入の決め手
● 年齢や性別などによる測定値の補正がない点
● 細胞外水分比(ECW/TBW)という項目で浮腫みの程度を確認できる点
● その当時最新の医療機器モデルで、高精度で体成分を測定でき一番良い機種である点
✓得られた効果
● InBodyの測定結果から自身の身体に興味を持ち、自ら考えトレーニングに励むようになった
● 怪我の兆候や回復の程度を数値で分析できるようになった
機種モデル:InBody970
シーラボ上越 整体×パーソナルジム(以下シーラボ上越)は、新潟県上越市にあるイーグルゴルフセンターに併設された機能改善型のトレーニング&コンディショニングジムです。プロアスリートのサポート経験がある理学療法士が、InBodyやスイング分析器などを用いながらスイング動作や怪我を予防するためのポイントをアドバイスすることで、ゴルファーの様々な悩みを解決しています。
シーラボ上越の代表である岡崎 優さんはゴルフフィジオトレーナーの資格を有する理学療法士です。高校時代は野球部に所属しており、腰を痛めたときのリハビリをきっかけに理学療法士という職業を知りました。理学療法士を志して山梨県の大学に進学、卒業後は山梨県の整形外科で4年半勤務し、2万人以上の腰痛治療に携わりました。その後、趣味でゴルフをしていたことがきっかけとなり、プロゴルファー専属トレーナーになりました。ゴルフのスイングを徹底的に分析し、スポーツをする際に生じる体への負担に配慮したトレーニングを意識するようになり、ゴルフフィジオトレーナーの資格を取得しました。そして、地元である上越にスポーツに特化した病院や施設がなかったことから、将来的に地元で起業したいという想いもあり、一念発起して2020年9月にシーラボ上越をオープンしました。
▲ 岡崎 優さん
岡崎さん:
「医療従事者である理学療法士の視点から、機能改善型のトレーニングをメインに行っています。ゴルフフィジオトレーナーというゴルファーの指導に特化した資格も活かして、ゴルフを生涯楽しんでいただけるよう、手術した部位や変形性膝関節症など、長く付き合う必要のある症状に合わせたスイングやトレーニング指導も行っています。傷害予防の観点でエクササイズの指導を行うこともあります。当施設はゴルフ場に併設されていることからゴルファーのお客様が大半ですが、最近は学生アスリートも増えてきました。」
▲ ゴルファー向けのパーソナルトレーニング風景
ゴルフフィジオトレーナーの資格は、滋賀県にあるGPTJapan(Golf Physio Therapy Japan)で取得できます。GPTJapanは全国でレッスン会を行っており、隣接するイーグルゴルフセンターでも2ヶ月に1回レッスン会を開いています。スイングの動作分析を専門とするティーチングプロと岡崎さんをはじめとした理学療法士であるゴルフフィジオトレーナーが一緒にレッスンを行うことで、理想的なスイング動作の指導だけでなく、適切なエクササイズの処方から体づくりのサポートまで包括的なアプローチが可能となります。
▲ 併設するイーグルゴルフセンターの一角に最新の測定機器を完備
岡崎さん:
「人体の構造や動きのメカニズムに基づいた、理学療法士の資格を持っているからこそできる専門的な指導を心掛けています。利用者の中にはプロスポーツ選手もいますが、彼は “効かせたい部位にしっかり刺激を入れられるウエイトトレーニングが分からない” ”トレーナーの指導を受けても自分が思うような刺激を入れることができない” と悩んでいた中でシーラボ上越に来てくれました。実際にトレーニングの動作を見たところ、後ろから見た姿勢が傾いていてInBodyで測定しても左右の筋肉バランスが悪いことが確認できました。そこでまずは要望があったトレーニングを指導する前に姿勢の乱れを整えたり、柔軟性を高めたりすることを目指しました。その後狙った部位のトレーニングにチャレンジした結果、自分が思っていた部位に刺激がしっかり入るようになったと大変喜んでもらえました。」
アスリートへの指導を行っている近隣施設が少ないこともあって、来院される学生アスリートの大半はインターネットで検索して訪れたり、友人や兄弟の繋がりから紹介を受けたりして、シーラボ上越にやってきます。
日本で初めてInBody970を導入
▲ 日本で初めて導入されたInBody970
岡崎さんはパーソナルトレーニングを行う施設に測定器がないのは望ましくない、むしろ取り組んだ運動の成果を数値化するために一番こだわるべきところだと感じていました。体成分分析装置の導入は必須だと調べていたところで、InBodyに出会います。岡崎さんは医療に負けない専門性の高い施設を作りたいと思っていたことから、大学病院や研究機関で数多く使用されている医療用のInBodyに興味を持ちました。
岡崎さん:
「気になったメーカー何社かに 『他社と何が違うのか?』 と質問を投げかけようとしたところ、ちょうどインボディから機器紹介の案内メールが届いていて、話を伺うことになりました。担当営業の方から他社製品との違いや導入施設、活用事例などを詳しく教えていただいた中で、InBodyは年齢や性別によって測定値が補正されないことを初めて知りました。現在のありのままの体成分を知りたかったので、余計な情報が入らないことはありがたかったです。
また、当時はむくみにフォーカスした治療を行っていたこともあり、医療用InBodyはむくみに関する指標(細胞外水分比, ECW/TBW)が測定できるという点にとても興味を持ちました。実際にデモ器をお借りした時に、普段使っているむくみ治療器の30-40分使用前後で測定結果を比較したところ、個人差もありますがECW/TBWに変化が見られる方もいて、数値から改善を確認することができました。むくみ治療の効果を数値化できる機器には出会ったことがなかったので、すごい機器だなと思いました。医療関係のお客様も多いので、InBodyのお話を聞いてみると勤務先で使っているという方も多く、治療の効果をInBodyで確認されていると教えてくれました。」
▲ 体内の水分バランスを表すECW/TBW
※ECW/TBWについて詳しくは、トピック「体水分均衡の特徴と重要性」もご覧ください。
シーラボ上越はInBody970を日本で初めて導入した施設です。当初、専門的な指導を行うために医療機器のInBody770を検討していましたが、ちょうど2022年4月の新機種発売のタイミングと重なり、購入するなら一番良い機種をという想いがあったことから、最新の医療機器モデルであるInBody970を2022年4月に導入しました。お客様全員のスマートフォンにInBodyアプリをダウンロードしてもらい、アプリで測定データを読み取って前回の測定結果と比較します。スマートフォンをまだ持っていない小学生に対しては、「○○が増加」「順調に成長」「ここを増やしたい」といった内容を書き込んだ結果用紙を、ご両親へLINEで送っています。
▲ InBody測定後、結果用紙に印字されたQRコードをInBodyアプリで読み取り
パーソナルトレーニングに来られている方はInBody測定を必ず月1回行っています。学生の中でも怪我が多いもしくはリハビリ中の場合は、短期間の変化も確認できるよう2週に1回もしくはトレーニングの都度、測定しています。練習量や体の疲れ具合によって体重や筋肉量がどう変化しているか、またそれに応じてトレーニングの内容を変更した方が良いかなど、セルフコンディショニングの能力を高める指導を心掛けています。
岡崎さん:
「ECW/TBWはむくみだけでなく怪我に対しても敏感に反応する指標だと感じています。左膝に炎症があった学生を測定すると、見事に左脚のECW/TBWが0.400を超えていました。測定結果の説明でもこの点には必ず触れるようにしています。他にも、初めて来られた方の脚のむくみが強かった場合は、念のためパーソナルトレーニングを始める前にInBodyの測定結果を持って病院を受診してもらうように促しています。」
高校生の部活動をInBodyでサポートする
▲ InBody970を定期的に高校へ持ち込んで測定
InBody970を導入して以来、シーラボ上越では近隣高校の部活動のチームサポートを行うようになりました。トレーニングを行って、InBodyの測定結果で体の中身を見える化することで、トレーニング内容の説得力が増します。岡崎さんは自身の学生時代の経験から、学生アスリートをサポートする活動の中で ”トップアスリートを育ててみたい” ”学生スポーツのレベルを底上げしたい” と考えていました。
岡崎さん:
「私の母校の先生がたまたまシーラボ上越に通ってくれていて、私から部活生のサポートについて提案し、最初はコンディションが気になる学生数名がシーラボ上越に来てくれるようになりました。InBody導入後はこの活動が母校全体で認知されるようになり、月に数日InBodyを母校に貸し出して測定を行うようになりました。InBody970は大きい機器なので、先生や学生の手を借りながら専用ハードケースで運搬しています。」
▲ 専用のハードケースに入れて、高校生の手も借りながら運搬
現在は母校含めた3校(公立1校/私立2校)のサポートを行っていて、トレーニング指導は週1回学校へ訪問し、InBodyは1~3ヶ月おきに測定しています。特に状態が気になる学生の何名かはシーラボ上越に通い、個別にプログラムを受けることもあります。学校に訪問して指導を行う場合は、日々の練習でも行えるように動きの注意点を説明したり、2人1組のペアで競わせるようなメニューを加えたりして、意欲的に取り組んでもらうことを心掛けています。シーラボ上越まで来てもらった時は、個別にもう一歩踏み込んだ細かい動作に関するトレーニングやウエイトトレーニングなどを行っています。岡崎さんは種目別やポジション別にトレーニングの内容は大きく変えず、走る・投げる・打つ・跳ぶなどの基本動作の強化を重視しています。
▲ シーラボ上越内での高校生に向けたパーソナルトレーニング
岡崎さん:
「部活のサポートを始めると、最初はInBody測定やトレーニングを受け身で行っている雰囲気があります。高校生は体成分を測る機会があまりないので、InBodyの測定結果から自分の体に興味を持ち、『腰痛があって体幹の筋肉量も低いんですがどうしたら増やすことができますか? 』 『このトレーニングはどこまでできるようになったらいいですか? 』といった積極的な質問が出てくると、トレーニングに取り組む意識が変わってきたなと感じます。InBody測定の必要性を学生自身に感じてもらえると、指導する先生たちの関心も高まります。監督・コーチからも、トレーニング→InBody測定のサイクルができたことで、『学生たちの練習態度が変わった』 『活き活きと練習するようになった』 と言ってもらえたことが嬉しかったです。指示されたトレーニングを行うだけでなく、測定結果を見ながら自分で考える力を身に付けてほしいです。」
▲ 測定結果を見て、前回からの変化をフィードバック
指導を続けていると、練習への意欲の差が数値にも表れてきます。練習態度が受け身だとInBody点数が低く、積極的に取り組んでいるとInBody点数が高い傾向が見られるため、InBodyの結果を監督・コーチに伝えることで練習への意欲を数値化することもできます。しかし、点数が高い学生は動作が不器用なことも多く、恵まれた体格を十分活かせていない場合があります。そこで、もともと持っている強みを最大限発揮できるよう、動きの改善に着目した指導を行っていく必要があります。さらに、チーム力の底上げのためには全員の意欲をどうやって上げていくかも課題になってきます。
種目別に見た測定結果
岡崎さんが指導する校内でのトレーニングだけでなく、シーラボ上越にも通って定期的にパーソナルトレーニングを受ける熱心な学生もいます。あるサッカー部の学生は右脚の筋肉系のトラブルが多く、2022年の夏頃から通い始めて半年になります。InBodyの測定結果を見たところ、右脚ECW/TBWが左脚に比べて高く、ハムストリングスが攣る・肉離れが起きるなどの怪我が頻発していることが実際の数値にも表れていました。この結果を基に治療器と負荷を分散させるための動作改善トレーニングを併用した結果、筋肉系のトラブルが解消され、InBodyの測定結果においても右脚ECW/TBWの改善が確認できました。この学生は、怪我の再発防止ができてきたため、次はパフォーマンスを上げるためのトレーニングにシフトしていこうと考えています。
▲ 別のサッカー部学生の結果用紙(左: 通い始め、右: 自己評価で調子が一番良いと思ったとき)
体幹筋肉量を中心に全身筋肉量が増加しているだけでなく全身と下肢のECW/TBWが低下していることが分かります。この学生も当初は脚の怪我が多いことが悩みでしたが、ECW/TBWの改善と共に怪我もしなくなりました。下肢筋肉量はほぼ変化していませんが、下肢ECW/TBWの大きな改善が怪我予防にも繋がっています。
岡崎さん:
「サッカーの特徴として、下半身の筋肉量は多く、上半身の筋肉量が少ないことが挙げられます。そこで下半身は筋肉量を増やすことよりも使い方を正してあげる、上半身の筋肉量もコンタクトスポーツなのである程度の筋肉量が必要ですが、動作の妨げにならないよう気を付けながらウエイトトレーニングなどで増やしてあげることが必要です。
野球の場合、全身・部位別筋肉量のバランスはもちろん確認しますが、主に除脂肪指数(FFMI)を使って説明しています。目標は22.0kg/㎡を目指してもらっています。FFMIが22.0kg/㎡を超えている学生にはあまり出会えていませんが、この数値に達したとき、どんな世界が待っているのか楽しみに指導しています。打球が飛ぶようになるのか、球速が速くなるのか、もしくはもっと技術を磨く必要が出てくるのか、まずは22.0kg/㎡を目指してやっていこうと声を掛けています。」
▲ サッカー・野球・ゴルフでそれぞれ着目している測定項目
岡崎さん:
「ゴルフの場合も野球と同様にFFMIを説明しつつ、スイングの安定性などに関わってくるので左右の筋肉バランスを見るようにしています。スイングが安定しない人はInBodyの測定結果を見ても、左右で筋肉量のバランスが崩れていたり、体幹の筋肉量が少なかったりすることが多いです。特に男性は利き腕の筋肉量がより多く出る傾向があるため、スイングがなかなか安定しません。一方、女性は筋肉量が少ないので飛距離はあまり出ないのですが、左右の筋肉バランスが男性よりも良い人が多いので、スイング動作は安定している傾向があります。
非利き腕・脚への意識を高め、左右の筋肉量からバランスを改善することでスイングの安定性を向上させる指導を行っています。具体的には、トレーニングを行うときに非利き腕・脚を多く使う、必ず非利き腕・脚から動き出すなどです。」
終わりに
岡崎さん:
「上のカテゴリーを目指す子供達が厳しい練習についていけるように、子供の頃からセルフコンディショニングを高める指導をしていきたいと考えています。子供だけでなくお客様全員が、シーラボ上越に通わなくても自分で健康を保てるようになってほしいです。シーラボ上越は卒業を前提としたジムで、どうしてもダメなときだけまた来てくださいというスタンスでやっています。」
岡崎さん:
「セルフコンディショニングを高めるためには、InBodyで測定して数値を見える化することが不可欠です。シーラボ上越は様々な数値の見える化にこだわるのと同時に、パーソナルジムではありますが、医療に負けない専門性の高いプログラムを提供したいと考えています。専門性の高いトレーニングのためには、常に最新の情報を取り入れていく必要があるので、InBodyで体の中身を数値で見える化して、データを基にトレーニング内容や目標となる数値などをアップデートしていけるのがメリットだと思います。測定データから将来的に、小・中・高校生それぞれに目標となるInBodyの具体的な目標数値を示せるようになりたいと考えています。その目標を目指してチーム全員が頑張る、それを見た他のチームも競い合うように頑張る、その結果、競技全体の活性化やレベルアップに繋がるような活動ができればと考えています。最終的に、シーラボ上越から世界と戦えるプロアスリートを輩出することが夢でもあります。そのために、InBodyを使って自分の体の中身を確認するのが当たり前な世の中になるよう、身近なところから活動を続けていきたいです。」
今後は、これまであまり接点のなかった子供や高齢者を対象に、無料のInBody測定会を月1回行っていくことを考えています。測定会は普段サポートしている高校生にも手伝ってもらい多世代交流の場ともなる予定です。