あるInBody社員の体成分改善日記

皆様、普段からInBodyを始めとした体組成計を使い日々の体成分をチェックされていますか? 定期的に測定していても、「この測定値の推移は正しいのだろうか?」「他の人はどのように減量しているのだろうか?」と、不安になりますよね。そこで今回は、あるInBody社員の1年間(21年7月~22年6月)のボディメイクを追った体成分改善日記をご紹介します。人それぞれ体型も体質も違うため、成功体験も様々でトレーニング方法に決まった正解はありませんが、是非参考にしてみてください。


まずはBefore→Afterから!

はじめに、ボディメイク前後の写真とInBody結果の一部を並べてみます。
➤Before(21年7月スタート時)

➤After(22年6月ごろ)

Aさん(30代男性社員/身長170cm/妻・子ども2人の4人家族)は定期的にInBody測定を行って体の変化を数字で確認していました。約1年で体重は+1.3kgとそこまで大きな変化はありませんが、体の中身である筋肉量と体脂肪量は大きく変化していることが分かります。1年間の推移を表すとこのようになっています。

▲1年間の体重・筋肉量・体脂肪率の推移

体重やBMIだけを記録していると、今取り組んでいる運動や食事による効果が表れているのかが分かりづらいことが多いです。しかし、InBody測定を行って筋肉量と体脂肪率の推移も確認することで、体重が変化していなくても体の中身の変化を確認することができます。では、Aさんは実際にどのような方法を用いて、ボディメイクを成功させることができたのでしょうか?


ボディメイクスタート時(21年7月)

2人のお子さんの子育てに追われ、運動する時間がないことを言い訳に過ごしていた結果、入社時からどんどん体成分が悪くなっていき、気付けば体型も標準体重のC型、いわゆる隠れ肥満になっていました。隠れ肥満とは体重が標準範囲内に収まっていても体脂肪率が高い、つまり筋肉量が少なく体脂肪量が多い体を指します。最初に示した写真からも分かるように、体重は標準範囲に収まっていても、このお腹ではとても健康的な体型とは言い難いです。

Aさんはボディメイクを始めるにあたり、一つルールを作りました。それは「子育ての時間を減らすことなく取り組むこと」でした。そのルールのもと、今まで通り子どもと接する時間・家事を行う時間を確保しながら、できる範囲で運動や食事に取り組み始めました。

まずは運動です。朝、子どもが起きる前(5時半)に早起きして、家の周りを走り始めました。最初は隠れ肥満の影響でゆっくりと5分走り続けることもできず、少し慣れてきても3kmほど走ったらヘトヘトになっていました。急に走り始めたこともあり、頻繁に膝を痛めてもいました。そこで、安定してある程度の距離を走れるようになるために、食事を変えて体脂肪量を減らすことで体を軽くすることに着手しました。全体的に炭水化物は少し控えめにするようにして、朝食はオートミール、夕食は野菜+鶏肉or魚をメインにし、白米などの炭水化物は摂りませんでした。その代わり、仕事で外回りが多い平日の昼食は好きなもの(ラーメンやハンバーガー)を食べるなど、そこまで厳しく食事を制限しませんでした。


3ヶ月後(21年10月)

体がランニングに慣れてきて、月100km走れるようになっていました(平日朝5km、休日走れる日は10km)。この時点ではまだC型ではあるものの、「体型評価」は隠れ肥満→適正に変わってきています。7月と比べて、筋肉量+2.0kg・体脂肪量-2.9kg・体脂肪率-4.5%と、3ヶ月間で体が大きく変化していることが分かります。

ちょうどこの頃、暑さも収まり走りやすい季節になったことで社内でもちょっとしたランニングブームが起こっていました。週2回ほど、昼休みに何人か集まって会社の周りを走るようにもなりました。そしてAさんは12月に開催される、市主催の5km走の大会に出場します。これまではランニングしかしていませんでしたが、大会に向けて軽い自重トレーニングも始めました。大会の結果は5km22分24秒の好記録で完走。走れば膝をすぐに痛めていた以前の姿からは想像もできないくらいの快走でした。

▲(左)5km完走 (右)昼休みのランニング風景


6ヶ月後(22年1月)

1年でも最も太りやすい年末年始を乗り越えて、1月にはほぼI型に近くなってきました。体脂肪量だけを綺麗に落とすことは難しく、21年10月と比べて、筋肉量-0.5(+1.5)kg・体脂肪量-2.5(-5.4)kg・体脂肪率-3.3(-7.8)%となりました(カッコ内は21年7月からのトータル変化量)。体脂肪率はついに標準値(15%)を下回る位置にまできています。ボディメイクを始めてからはこの時点の体重が一番軽く、ランニングも最も軽快に走れるコンディションでした。

社内で起こったサイクリングブームに触発されて、22年からAさんは新たにサイクリングを始めました。これまでと同様に朝早い時間もしくは夜子どもを寝かしつけた後に30-40km走り、月の平均走行距離は500kmほどになります。


9ヶ月後(22年3月)

3月は更にサイクリングに没頭し、月間走行距離は700kmを超えたそうです。サイクリング効果も相まってますます体脂肪量は減少し、遂にI型からD型へと変わってきました。22年1月と比べて、筋肉量+0.5(+2.0)kg・体脂肪量-0.7(-6.1)kg・体脂肪率-1.1(-8.9)%となりました(カッコ内は21年7月からのトータル変化量)。スタート時から体脂肪量を順調に落とし続けることに成功し、一時期は体脂肪率を10%台にまで絞ることができました。

しかし、筋肉量は未だに標準以下だったこともあり、ここからは有酸素運動と自重トレーニングに加えて体を大きくするために筋肉トレーニングも開始しました。食事もここから大きく変えて、減量ではなく増量にシフトしていきます。
▲自宅で懸垂を開始(左:3月 右:6月)

体脂肪量が多少増えることも承知の上で、まずは体重自体を増やすために、食事量を増やすことから始め、米を1日最低3合以上食べることを目標としました。

朝食は白米と、卵・納豆・木綿豆腐を組み合わせてタンパク質も摂取します。豆腐をそのまま食べる場合、木綿よりも絹ごしの方が食べやすいですが、絹ごしは水分含有量が多いため同量の木綿と比べると含まれるタンパク質が少ないことが特徴です(100g中に含まれるタンパク質は木綿7.0g・絹ごし5.3g¹⁾)。そのため、絹ごしではなく木綿を食べることでタンパク質摂取量を増やすよう工夫をしました。昼食は変わらず外食が多い傾向でしたが、ラーメンは大盛り、ハンバーガーは4つと、以前と同じメニューでも量を増やして完食することを頑張りました。夕食も栄養バランス良く、タンパク質を意識しながら食べられる分だけありったけ食べるようにしました。また、1日3食に加えて、間食として2合分のおにぎりを空き時間に少しずつ食べる工夫も取り入れました。

5月のゴールデンウィークには日帰りで琵琶湖1周約200kmを走破しただけでなく(右写真)、近所の24時間型フィットネスにも通い始めました。子どもを寝かしつけた後、週3日はジムに通い、ジムに行かない日はサイクリング(1日約40km以上)に取り組むようにし、これらを交互にこなす日々を現在も続けています。


1年後(22年6月)

筋肉トレーニングと食事量の増加によって体脂肪量も少し増えてしまいましたが、それ以上に筋肉量がぐんぐん増え、D型を維持しながら増量することができました。増量開始した22年3月と比べて、筋肉量+4.0(+6.0)kg・体脂肪量+1.1(-5.0)kg・体脂肪率+0.5(-8.9)%となりました(カッコ内は21年7月からのトータル変化量)。体脂肪率も若干増えましたが、それでも標準値(15%)を下回っており、結果的に無駄な体脂肪量を増やすことなく、筋肉量の増加に成功したと言えます。


1年間を終えて、Aさんの感想

「ボディメイクスタート時(21年7月)も、明らかに変化が現れている1年後でも、自宅にあった2000円の体組成計ではいつも体脂肪率は18%台が出ていました。しかし、社内でInBodyを測定してみると、実際はトレーニング開始前の体脂肪率は22.2%でしたし、運動と食事を頑張っている時は13%台を推移していました。自宅の体組成計だけで体の変化を確認していたら、モチベーションも上がらず、ここまで変われなかったかもしれません。InBodyを使ったことで、痩せたいときは筋肉量を減らさずに体脂肪量だけが落ちているか、体重を増やしたい時は体脂肪率を維持して筋肉量が増やせているか、定期的に確認することができました。長期間、ここまでしっかりと運動や食事に取り組むことが初めてだったので不安もありましたが、毎月InBodyで何かしら変化が見られたので1年間モチベーションを維持できたのだと思います。」

Aさんは現在も趣味のサイクリングを続けており、先月は社内の自転車仲間と日帰りで淡路島1周約150kmを走破されました(左写真)。今は6月より体脂肪量が少し増えているそうですが、これからも健康な体を維持できるように運動や食事に取り組んで行きたいと意気込んでいます。

※InBodyと他の体組成計との測定値の違いについては、トピック「今さら聞けない、体組成計のあれこれ -測定値の理解を深めるためのQ&A-」をご覧ください。

参考文献
1.「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 文部科学省