, ,

五大栄養素 -ミネラルⅡ-

このトピックの前編を見逃している方は、こちらもご覧ください☞「五大栄養素 -ミネラルⅠ-

前回のトピックでは、ミネラルの役割や過剰摂取と不足によるリスクについてご紹介しました。今回のトピックでは、ミネラルを多く含む食品や効率よく摂取するための食品(栄養素)の組み合わせをご紹介していきます


ミネラルを多く含む食品

ミネラルを多く含む代表的な食品には、魚介類・藻類・種実類・野菜・加工食品などがあります。ここでは多量ミネラルを多く含む食品の一部と、その摂取目安となる必要量をご紹介します¹⁾²⁾。
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より改変

五大栄養素の中でも、ミネラルやビタミンは微量栄養素なので、各個人で必要量は変わってきます。「運動量」「生活環境」「年齢」そして「体成分」などが必要量に関わる要因です。年齢毎で定められている必要量を基準に、一人一人の生活習慣を考慮して、理想的な食事メニューを考えるようにしましょう。


ミネラルも豊富なスーパーフード ”ナッツ”

ナッツは、ミネラル・ビタミン・ヘルシーな脂質(不飽和脂肪酸)を含む栄養価の高い食品で、リン・カリウム・マグネシウムなどのミネラルの他にも、ビタミンB1・B2・B6・B9、食物繊維など様々な栄養素を豊富に含んでいます。中でもクルミは、必須脂肪酸のひとつであるα-リノレン酸を多く含んでいます¹⁾。α-リノレン酸は悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすヘルシーな脂質として摂取したい栄養素です。一般に、加工された状態で販売されるナッツは健康的利点が小さく、砂糖などの影響でカロリーが高いものもあります。従って、加工されたナッツ類を買うときはカロリーや加工の種類を確認し、少量を摂取するようにしましょう。

ナッツの適度な摂取を推奨している、DASH(Dietary Approach to Stop Hypertension)食や地中海食は、血圧を下げ心機能を改善し、心血管疾患・糖尿病・がん・メタボリックシンドロームに関連する病気のリスク軽減に貢献すると報告されており、十分なエビデンスが存在する食事法です³⁾⁴⁾。DASH食ではナッツ類を1日あたり1カップ、地中海食では毎食ナッツ類を摂取することを推奨しています。


ミネラルも豊富な日本伝統のスーパーフード “味噌”

味噌はナトリウムが多い食品のイメージがありますが、主原料である大豆はとても栄養豊富な食品です。更に発酵することで栄養価も高まることから、日本伝統のスーパーフードとして様々な健康効果が実証されています⁵⁾。味噌はナトリウム以外にも、カリウム・マグネシウム・カルシウム・鉄・亜鉛などのミネラルの他、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン・葉酸・食物繊維など、様々な栄養素を豊富に含む食品です。

毎日の食事で味噌汁を食べている人は多いと思いますが、順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、味噌汁の健康効果をさらに高める「長生きみそ汁」を考案しています⁵⁾。ストレスの軽減効果を持つGABAが豊富な白みそ・抗酸化作用をするメラノイジンが豊富な赤みそ・解毒効果を持つケルセチンが豊富な玉ねぎ・余分な塩分の排出に役立つカリウムが豊富なりんご酢を掛け合わせた「長生きみそ玉」を使用して味噌汁を作り、具材としてワカメ・もずく・とろろ昆布・めかぶ・ひじきなど、ミネラルが豊富な海藻類も追加してみましょう。


ミネラルと相性の良い栄養素・悪い栄養素

ミネラルはビタミンとの相性が良いので、一緒に摂取することでさらに大きな力を発揮します⁶⁾。カルシウム・カリウム・鉄・亜鉛・セレンはビタミンCと相性が良く、カルシウムはビタミンD・ビタミンKとも仲良しです。ミネラル同士の中でも、カルシウムはマグネシウムとカリウム、カリウムはナトリウム、鉄は銅と相性が良いです。

一方で、栄養素には相性の悪い組み合わせが稀にあります。リンとカルシウムはそれぞれミネラルとして必要な栄養素ですが、リンを多く摂取するとカルシウムが吸収されにくくなり、骨に存在するカルシウムが血液に溶け出してしまうことがあります。現代の食事では加工食品など、食品添加物が入っている食品を食べることが多いため、リンの摂り過ぎに注意が必要です。リンとカルシウムは、1:1の割合で摂るようにしましょう。また、食物繊維も摂り過ぎるとマグネシウムとカルシウムを排出してしまうので、組み合わせが良いとは言えません。


終わりに

ここまでで、私たちが生きていくうえで必要不可欠な5種類の栄養素を『五大栄養素』として紹介しました。最近の栄養学では食べる順番も重要視されており、➀食物繊維が豊富な野菜 ➁タンパク質が豊富な魚肉類 ➂炭水化物を多く含む主食類 という順番で食べることで、血糖値の急激な上昇を抑えられます。血糖値をゆっくり上げる食べ方は、糖尿病のリスクを下げるだけでなくダイエットにも効果的です。5つの栄養素をバランス良く食事に取り入れて、それらを摂取する順番も工夫することで、栄養素それぞれの働きを最大限に活かしてください。

このトピックの前編を見逃している方は、こちらもご覧ください☞「五大栄養素 -ミネラルⅠ-
 

参考文献
1. 正しく知れば体が変わる!栄養素の摂り方便利帳, 中村丁次 監修
2.「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 文部科学省
3.「地中海食の特徴」 公益財団法人長寿科学振興財団
4. 高血圧治療ガイドライン2019, 日本高血圧学会 発行
5. 医者が考案した「長生きみそ汁」, 小林弘幸 著
6. マンガでわかるまるごと栄養図鑑, 代居真知子 著, 五明紀春 監修

Print Friendly, PDF & Email